はたらく

ライター:赤井 恒平

2024.02.06

飯能の農産物をつなぎ、楽しむチーム「くるくるはんのう」

飯能の農産物をつなぎ、
楽しむチーム「くるくるはんのう」

「6次産業」という言葉を聞いたことがありますか?

これは、農家さんをはじめとする生産工程を1次産業、農産物を加工して商品をつくる工程を2次産業、小売業など販売工程を3次産業として一貫して行うことで付加価値をつけ、収益を高める取り組みのことです。

すべて(1次、2次、3次)をかけ合わせることで「6次産業」と呼ばれています。飯能で6次産業に取り組むチーム「くるくるはんのう」が始動したとのことで、取材に行ってきました。

生産者と飲食店をつなげる活動から生まれた「くるくるはんのう」

くるくるはんのうは、飯能に移住してお店を始めた(これから始める)事業者や生産者を中心としたチームです。

メンバーや参加希望者で飯能市内の生産者さんを訪問して、農作物についての話を直接聞かせてもらい、それぞれのお店のメニューに取り入れたりしています。

その中で中心的な役割を担っているのは、飯能市農業振興課の片野陽介さん。

農家さんとの調整や、メンバーなどへの連絡などをしてくれています。さっそくチームが発足した経緯を聞いてみました。

「最初は名栗にあるブルータープさんから『地元の梨を使ってBBQソースをつくりたいので、農家さんを紹介してもらえませんか』という問い合わせがきっかけでした。それ以来、飲食店の方を農家さんのところへ案内するようになったんです。でも、1回に1組だけだともったいないなと思うようになり、ツアーという形式で開催するようになりました」

それが現在も行われている「生産者×クリエイター マッチングツアー」なのだそう。「クリエイター」としているのは、飲食事業者だけではなく、さまざまなジャンルの方々に参加してもらいたいからとのこと。

市内の飲食事業者たちが果樹園を訪問。仕入れにつながることも

また片野さんは「飯能は特産物がないと言われがちなのですが、果物だとぶどう、いちご、梨、キウイ、柑橘などたくさんあります。シーズン中は購入者の行列ができるほど人気だったりします。ほかにも狭山茶、たまご、穀類、はちみつもあるんです。みなさん大規模ではないのですが、どれも育成方法にこだわった逸品。ぜひ地元の人たちにも知ってもらいたいし、地元で消費して欲しいです」と語ってくれました。

新しく飲食業を始めた人たちは、農家さんとのつながりはなく、そもそもどこにあるのかもわからない。たとえ見つけたとしても、突然訪問するのはハードルが高い…。

だからこそ、マッチングツアーをやってもらうと地元の食材を知ることができ、なによりつながりが生まれるのがありがたいそう。

地域を知り、人と人をつなげていく素敵な取り組みですね。ぜひ続けていただきたいです!

実際の活動はどんな感じ? 交流会に潜入

飯能銀座商店街にあるシェアキッチンで、過去マッチングツアーに参加してくれた方々を中心とした交流会が開催されるということで行ってきました。

参加者は20名ほど。飲食業はもちろん、ゲストハウス経営、サウナ製造販売、広告業など業種もさまざま。飯能以外にも寄居町、小川町、入間市、東京からも参加がありました。

片野さんからマッチングツアーの報告があった後は、なんと地元生産者の食材やマッチングツアーから生まれた商品の試食です。

運ばれてきたのは、目にも楽しいカラフルなプレート。さらに飯能小麦を使ったパンや、狭山茶を使ったベーグル、全粒粉のクッキーもありました。もはや試食というレベルではありません。

すべて飯能で採れた農産物と、それを使った加工品

飯能産小麦100%のパン(made by ömatsu

実際のマッチングツアーは、たとえばブルーベリー畑で説明を聞きながら、採りきれない分の収穫を手伝ったり、販売ルートにのらない規格外品を加工品にする相談を受けたりもするそうです。

真夏のブルーベリー狩り。収穫しきれないものを参加者がレスキュー

飯能の食材に興味がある方、ツアーに参加してみたい方は、ページ下にあるくるくるはんのうのInstagramをチェックしてみてください。

「くるくるはんのうマルシェ」を初開催!

2024年2月24日(土)、25日(日)に、くるくるはんのうが主催するマルシェが開催されます。場所は飯能駅改札前と飯能銀座商店街にある日替わりシェフレストランの2か所。

改札前では農産物を中心とした物販、日替わりシェフでは地元の農産物を使ったスイーツなどが食べられます。食を通じて、新たな飯能の魅力を感じてみてください。

2月24日(土)出店

2月25日(日)出店

  • ロータスベーグル(ベーグル)
  • スイーツラボ ピニョン(お菓子)
  • 森見ル焙煎所(コーヒー)
  • 農楽里食楽里(きく芋・花き)
  • 芋はん(さつまいも)

24日(土)25日(日)出店

関連情報

名称
くるくるはんのう
Instagram
@kurukuru_hanno

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記事を書いた人:
赤井 恒平

飯能生まれ。AKAI FactoryやBookmarkを手がけた、飯能リノベーションの第一人者。地域や人をつなぐ「橋をかける仕事」をしています。

  • 飯能市キーマン
  • AKAI Factory 代表
  • 埼玉県「まちなかリノベ賞」最優秀賞(R2年度)

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