たべる

とろりと甘くて、黄金色や琥珀色にキラキラ輝くはちみつ。食卓にあるだけで幸せな気持ちになる食材のひとつです。

飯能を中心に養蜂をされている「まほら屋」さんが、この度11月14日に実店舗「まほらマルシェ」をオープンしました。

まほらマルシェってどんなお店？

まほらマルシェは東飯能駅東口から歩いて5分ほど、佐瀬病院の近くにあります。

以前パン屋さんだったお店の外観は、はちみつ屋さんにもぴったりのナチュラルな雰囲気。晴れた日には明るい陽射しが入り、店内はやわらかい空気感に包まれています。

お店の中央には、夫で養蜂家の伊東裕彰さんが採蜜した非加熱の生はちみつが並びます。飯能と神奈川県の湯河原、藤沢で自家採蜜したこだわりの逸品です。

ラベルに描かれた、愛らしい蜂のイラストや店内のポップは有希さんが手がけたそう。

有希さんのおすすめは、飯能産の「ふじ蜂蜜」。ジャスミンのような香りと上品な味わいが特徴です。

飯能産のはちみつは他にも「さくら蜂蜜」「さくらとふじの百花蜜」「アカシアとハゼの木蜂蜜」と種類も豊富。

どの花のはちみつなのかは、蜂が飛ぶ範囲や花の時期などから割り出すのだとか。夫の裕彰さんは採れたはちみつの味から「これはハゼだけではなくアカシヤも入ってるな」ということがわかるのだそうです。

「飯能のはちみつは、やさしい味がします」と有希さんは言います。「田舎の里山を思い出すというか…ほっこりして、奥ゆかしさも感じます。色もなんだかやさしいんです」

飯能は湯河原などに比べると花が少なく、採蜜量はあまり多くないそう。今年採れたはちみつが来年も採れるとは限らないとのことなので、気になる商品はぜひお早めに。

飯能ではじめた暮らしとお店

9年ほど前からインターネットとイベントを中心に、はちみつを販売してきた伊東さんご夫妻。イベントの出店先で「お店はないんですか？」と聞かれることも多かったとか。

「インターネットでの顔の見えないやりとりより、対面での販売が好き」という有希さん。お店でお客さんとコミュニケーションをとれるのがうれしいそう。

「来た方は『居心地がいいね』と言ってくださったりします」とほほ笑みます。

ともに東京の都会生まれでありながら、自然に近い暮らしが好きという伊東ご夫妻。裕彰さんが海好きとあって、これまで茅ヶ崎や小田原などに住んでいたことも。

海のない飯能への移住は、有希さんの希望だったそうです。

「飯能はちょうどいいスピード感で暮らしやすいです」と有希さんは言います。夫婦ともに友人もたくさんでき、ご家族で飯能ライフを楽しんでいます。

コンセプトは「身体と心が喜ぶ、うれしいものたち」

まほらマルシェでは、はちみつの他にも農薬不使用の野菜や、身体にやさしいお菓子、雑貨なども販売しています。

まほらファームの野菜は、長年農業関係のお仕事をされてきた、有希さんのお父さんが育てています。お父さんの農業の師匠でもあるという広田農園さんの野菜も人気。

お子さんが通う幼稚園のつながりやイベント先での出会いも多く、飯能で活動している「Garden Mieli」さんのハーブティーやハンドメイド作家さんの小物、自家焙煎珈琲豆の販売もあり、飯能での輪もどんどん広がっています。

「お店の壁塗りなども知り合いに手伝ってもらったり、本当にたくさんの方々の協力があってお店を開くことができました」と有希さん。

他にも、メイドインジャパンにこだわって有希さんが選んだ雑貨やお菓子なども取り扱っています。日本でつくられたものを応援するような気持ちで、商品を仕入れてるそうです。

現在、足踏みによるリラクゼーションの勉強中と言う有希さんは、来年にはお店の一画でリラクゼーションサロンも始める予定だとか。

「ストレスなどを抱えながらもがんばっている方の身体のめぐりをよくして、楽になってもらえたら」と話してくれました。

ほっとする味、ほっとする時間

店内でドリンクもいただけます。

「はちみつ屋じゃないと入れられない量が入ってます！」と有希さんの笑顔もはじけるほど、贅沢にはちみつを使ったコーヒーとルイボスティーは、はちみつの美味しさを存分に楽しめます。

取材時にいただいた「はちみつミルクコーヒー」は口当たりがよく、思わずゴクゴク飲み干してしまいたくなるほどでした。

新商品の「はちみつ飴（HANNO Honey Candy）」にも飯能産のはちみつがたっぷり入っています。のどの乾燥が気になるこれからの季節におすすめ、また飯能みやげにももってこいです。

いろいろな生きものが幸せに暮らせる場所になったら、と想いを込めて名付けたという「まほら屋」。「まほら」には「素晴らしい場所」という意味があります。

日々の暮らし中、ふとしたときに安らぎをくれるもの。飯能に誕生した新しい「まほら」でぜひ見つけてみてください。

写真：赤井恒平