くらし

書いた人:つるまゆ

2023.10.14

黒子として楽しみながら活動をサポート「飯能図書館 友の会」

黒子として楽しみながら活動をサポート
「飯能図書館 友の会」

地域の木材「西川材」がふんだんに使われた、飯能市立図書館。大きな柱と美しい木目の天井が目を引く、飯能市民にとって自慢の図書館です。

今年の7月1日には、現在の場所に移転してちょうど10年を迎えました。今回は、図書館の活動をサポートする「飯能図書館 友の会」メンバーの中から、湯川さん、子安さん、関さんにお話を伺いました。

友の会の主な活動は、訪れる人が気持ちよく図書館を利用できるように、本をとりまく環境を整えること。書架の整理を手伝ったり、館内美化に努めたりしています。中でも、返却資料の配架は友の会の大切な仕事です。

いつも棚の周りで本を整理整頓しているのは、実は友の会のみなさんです。メンバーになると、まずは日本の図書館で広く使われている「十進分類法」を覚えます。

膨大な蔵書の中で、本が迷子にならないよう、決められた場所へ本を戻すことを心がけます。

そして、図書館を憩いの場として広く知ってもらうことも、活動の大きな柱です。

図書館で使わなくなった蔵書・寄贈本を無料で持ち帰っていただく「リサイクルフェア」や、子どもたちに人気の「おはなし会」を定期的に開催。図書館を身近に感じてもらえるようなイベントを積極的に企画、実施しています。

友の会の活動が始まったのは、新図書館が完成する半年前くらいでした。「本が好き」そして「図書館が好き」という気持ちを抱いて集うみなさんが、図書館をサポートするという大きな目的のもと、発足当時から変わらない雰囲気の中でボランティア活動を続けています。

10年という長い期間にわたって活動を続けられた秘訣は「楽しい」と感じるかどうか。

「作業」や「業務」という意味合いが強くなればなるほど、ボランティア組織として活動を続けていくのは難しくなります。

発足時から友の会に参加している子安さんが、当時の様子を話してくださいました。

「10年前、友の会ができると聞いて参加した説明会では、具体的な業務の説明はほとんどありませんでした。参加者どうしが話をしたり、ゲームをしたりしていたんです。とっても不思議だったんですが、今考えると、作業を強制されることのない、風通しのよいチームをつくるためには欠かせない時間でした」

押し花のしおりをつくってイベント時に配ったり、販売したり、絵を描くことが好きなメンバーを中心に、飯能に伝わる昔話の紙芝居を手づくりしたり。10代から80代まで、幅広いメンバーそれぞれが得意なことを活かして、自発的に活動に参加しています。

飯能に伝わる昔話の紙芝居をつくるときは、時代考証を含めて学習会を設けて、伝承の裏付けを取りました。楽しみながら参加する活動が、誰かの、何かの助けになっているとしたら、喜びも2倍です。

10月15日(日)には、市立図書館新館開館10周年を記念したイベントの1つ「館内めぐり」が開催されます。友の会のみなさんがガイド役となり、来館者に市立図書館の内部をご案内するツアーです。

ボランティアガイドは勉強会を開き、一人ひとりが原稿を作成して実際に館内をガイドするなど、練習に余念がありません。

「図書館案内ができるのは、かなりすごいことなんです」と話すのは、平成25年から26年まで図書館長を務め、今は友の会のメンバーでもある湯川さんです。

各コーナーに特色があって、ジャンルも多い図書館の内部。わかりやすく案内するためには、全体を幅広く知る必要があります。

友の会発足から約10年。図書館業務に寄り添ってサポートを続けてきたメンバーの成果発表とも言える一大イベントです。

当日は、本好きにはたまらない、書庫を見学できる機会もあります。表の棚に並ぶ本は、蔵書全体のほんの一部にすぎません。ふだんは見ることができない図書館の姿を知る、またとないチャンスです。ぜひ足を運んでみてください。

図書館活動の縁の下で黒子に徹し、楽しみながらサポートを続ける友の会のみなさん。「少しでも図書館の力になりたい」という純粋な気持ちを叶える、すてきなチームのお話を伺うことができました。

写真:赤井恒平

関連情報

団体名
飯能市立図書館 友の会
所在地
飯能市山手町19-5
飯能市立図書館内
TEL
042-972-2114
042-972-2114

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記事を書いた人:
つるまゆ

長野県上田育ち→東京経由→埼玉県飯能暮らし/自然に囲まれた生活を愛して、2021年に移住/山と緑、自然食と手仕事、コーヒーを楽しむ生活

  • 職業は経理&ライター
  • 登山大好き
  • 和服大好き

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