ある日、はんのーと副編集長の徳…
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飯能を拠点に幼児や児童向けの運動スクールを企画・運営する「合同会社ふすふす」代表の早坂航太さん。近年、日本でも広がりを見せているスラックライン競技のワールドタイトルホルダーでもあります。
今回は、自身のスラックライン競技活動とともに、子どもたちの基礎運動能力を向上させたい、という早坂さんの想いについて、お話を伺いました。
スラックライン(Slackline)とは、専用のベルトのようなラインを2点間に張り、ラインの上を歩いて渡るスポーツです。
歩いて渡るレベルから始まり、慣れてくるとライン上で座る、立つといった動作ができるようになります。日本国内や世界で大会も開催されており、選手たちはラインの上で高度な技を競い合います。
高校生まで器械体操を続けていた早坂さん。大学サークルで出会ったスラックラインに夢中になります。
情報が少ない中、動画サイトを見ながらサークル内の誰よりも夢中になって練習を続け、アクロバティックな技にも挑戦。
練習の甲斐があり、社会人となってから出場したワールド大会では、自身が考案した大技で1位を獲得しました。
お話の合間もスラックラインと一体になり、ずっとバランスを取り続ける早坂さん。練習熱心というよりも、サッカーが好き過ぎてボールを一時も離さない少年のようです。
スラックラインの魅力を尋ねると「ラインに乗ってみてください」と一言。ソックスを脱いでラインに足を乗せると「た、立てない!!」
体の振動がダイレクトにラインへ伝わるため、いつまでも揺れが収まりません。
ライン上に立つだけでも難しく、見ているのとやってみるのとでは大違い。ライン上で次々と技を繰り出す早坂さんのすごさが実感できました。
「足元が安定しないスラックラインに乗るには、揺れをいなすような体の動きが必要です。単純にラインの上に乗るだけなのに、それができない。『悔しい!もう一回!』という気持ちがむくむくと湧いてきて、やめられなくなってしまうんです」
現在、早坂さんは理学療法士の資格に基づき、子どもたちの基礎的な運動能力を高める取り組みに注力しています。
子どもたち一人ひとりがスポーツを通して安定した心を育み、新たな目標に向かって前向きに挑戦できる自己肯定感を育てるのがねらいです。
スラックラインは、子どもたちの基礎的な運動機能を向上させるのに効果的なスポーツだと早坂さんは話します。
シンプルな動きながら、無意識に体のバランスを取る能力が備わり、頭で考えるよりも早く体を動かす感覚が身につきます。
また、できるようになるまで練習を繰り返し、ステップアップする達成感が得られるのも利点です。
活動を軌道に乗せるため、しばらくの間スラックライン競技から離れていた早坂さんですが、最近は選手としての活動を再スタートさせています。
きっかけの1つとなったのは、子どもたちの「先生は大会に出ないの?」という言葉でした。あらためて選手として復帰して、子どもたちとの向き合い方がより近くなったと話します。
「目標は子どもたちと一緒に試合に出場することです」
早坂さんが飯能を拠点に選んだ決め手は、天覧山でした。
「走りにいったら、なんだかいい所だな、と感じたんですよね」都内からのアクセスがよいこともプラスポイントだったと話します。
引っ越してまだまだ一年足らず。ここ飯能から、早坂さんとご家族の新たな一歩が始まります。
写真:赤井恒平
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記事を書いた人:
つるまゆ
長野県上田育ち→東京経由→埼玉県飯能暮らし/自然に囲まれた生活を愛して、2021年に移住/山と緑、自然食と手仕事、コーヒーを楽しむ生活
- 職業は経理&ライター
- 登山大好き
- 和服大好き
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