特集・連載

書いた人:赤井 恒平

2022.04.27

「センパイ移住者のーと」#07 パーマカルチャーデザイナー・相川雪恵さん

「センパイ移住者のーと」#07
パーマカルチャーデザイナー 相川雪恵さん

パーマカルチャーって何ですか?

「パーマカルチャー」という言葉、みなさんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。かく言う私も興味はあるし、何となく環境によさそうなことはわかるけど、詳しくは知りませんでした。自分で建てたログハウスで電気を使わないストイックな暮らしをしてるんじゃないかと思ってます(偏見)。

そこで、パーマカルチャーデザイナーの相川雪恵さんに、パーマカルチャーとの出会いや、なぜ自身のフィールドとして飯能を選んだのか、ふだんどんな生活をされているのかをお聞きしました。

沖縄で出会った持続可能な考え方

きっかけは小さなチラシでした。特に目を引くわけでもなく、文字だらけのいわゆるイケてないデザインだったのですが、なぜか気になったパーマカルチャー講座開催を知らせるその一枚が相川さんの人生を大きく変えます。

沖縄で営んでいた飲食店を閉め、次にやることを探していたということもあったのかもしれません。結婚したばかりのだんなさん・雅久さんも「探していた生き方はこれかもしれない」と言って、予定していたニュージーランドへの新婚旅行を取りやめて、夫婦で12日間の講座に参加したのです。

パーマカルチャーをじっくり学んだ二人は、家の近くの市民農園で実践を始めます。しかし、小さな農地では足りなくなり、知り合いのツテで5,000坪もの土地にあるトレーラーハウスに移住。トレーラーハウス暮らしも、雪恵さんが出産を迎えるタイミングで終了し、村営住宅へ移ることになります。

いつか本気でパーマカルチャーをやりたい、という野望を胸に秘めて暮らしていたある日、1,000坪の土地が手に入るチャンスが巡ってきます。購入資金がなかった雪恵さんは父親へ「自分の世代だけでなく、後世までつなげるための投資をしてほしい」という言葉とともに、自分が思い描いていることの企画書を提出。ついに相川さん一家は自分のフィールドを手に入れたのです。

とはいえ手に入れたのは更地ではなく森。すべて自分たちで開墾し(雅久さんは「二度とやらない」と言っていますが笑)平地にしてから家や畑をつくっていきました。開拓し始めてから1年半後、2013年12月に誕生したのが「Yanbaru Shinkanucha Village」でした。

その後自宅のほか、ゲスト棟もつくって宿泊客を受け入れたりしながら生活していましたが、時代が追いついていなかったこともあり、パーマカルチャーをなりわいとして暮らしていくのは厳しかったのだそうです。

「そもそも自分たちの暮らし自体が持続可能であること」を模索した結果、2019年に沖縄での生活にピリオドを打ちます。

沖縄から飯能への逆(?)移住

誰もが一度は憧れる沖縄ライフの次に選んだ移住した先はなんと埼玉県の飯能。雪恵さんは学生時代を飯能で過ごしていたこともあり、馴染みがあったということもありましたが「都会と田舎のバランスがいい」というのが一番のポイントだったそうです。

現在、雅久さんは音楽関係の映像の仕事を、雪恵さんはパーマカルチャー関連の仕事のほか、アルバイトもしながら暮らしています。住んでいるのもいわゆる建売りの中古物件です。でも根っこにあるのはパーマカルチャーという考え方。

「田舎に住むことが絶対条件ではありません。自給自足をする人もいれば、都市部で実践する人もいる。私たち家族にとっては都市部に近い田舎がちょうどいいバランスだった、ということなんです。パーマカルチャーはどこでもできるので」

雪恵さんは2020年から、飯能の名栗エリアで地域の子どもたちとともに小さな畑を始めました。そこでは、学んできたことを実践しつつも、地元で農業をやってきた人たちの知恵もお借りしているのだそう。

どこか遠くの土着文化を取り入れるだけではなく、自分たちが住んでいる地域の土着もしくは伝統文化の素晴らしさに気づき、残していく。私たちの子供の世代、そしてさらにその先へ素敵な世界をつないでいく。パーマカルチャーは、そのために今できることは何なのかを考えてみるきっかけを与えてくれるのです。

はんのーとではライター「ゆっきー」として連載記事もありますので、パーマカルチャーが気になった方はぜひ読んでみてください。

また、ゆっきーを講師としたパーマカルチャー実践講座を開催します。残席わずかですので、お申し込みはお早めに!

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記事を書いた人:
赤井 恒平

飯能生まれ。AKAI FactoryやBookmarkを手がけた、飯能リノベーションの第一人者。地域や人をつなぐ「橋をかける仕事」をしています。

  • AKAI Factory 代表
  • 「まちなかリノベ賞」最優秀賞(R2年度)

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