くらし

ライター:清水 麻由

2022.11.30

中に入ってお茶でもどうぞ・地域の茶の間「寄ってケア」

中に入ってお茶でもどうぞ
地域の茶の間「寄ってケア」

入り口に並ぶ朝採れ野菜に誘われて「ここは一体何をする場所?」と気になった方も多いのではないでしょうか。

どんな人でも好きなように過ごすことができる場所。それがここ、NPO法人ぬくもり福祉会たんぽぽが運営する、地域の茶の間「寄ってケア」です。

今から14年ほど前、飯能駅前のショッピングモールの一角で始まった寄ってケア。福祉関係の事業で使ってほしいと、お店が場所を提供してくれたそうです。

そのモールが閉店したのを機に、まちなかへ。飯能市社会福祉協議会やほかの福祉事業所とも連携しながら、地域の居場所としての役割を担っています。

介護、障がい、子育てや学校の悩み…。悩みは人それぞれですが、そんな話をお茶を飲みながら気軽に聞いてもらえる場所です。相談に料金などはかかりません。

そうは言っても、いきなり悩みを打ち明けるなんて…と思うかもしれません。

そんなときはただ、買いものや散歩の途中で休憩するもよし、トイレを借りるもよし。赤ちゃんのおむつ替えや授乳するもよし。

買ってきたお弁当を食べたり、勉強や仕事、打ち合わせに使うこともできます。毎週火曜日に「たんぽぽ農園」から届く、新鮮な野菜を購入するのもおすすめです。

無料のお茶コーナーで自分でお茶を淹れて、ぼーっとしたり、たまたま居合わせた人と交流するうちに、少し元気になって帰る。リフレッシュしたい人にぴったりの場所なのです。

訪れた人が好きに過ごせるよう、手芸や絵、習字の道具、折り紙などの用意もあります。

「もしやりたいことがあったら言ってください。必要なものがここにあればお貸ししますので」と話してくれたのは、飯能市社会福祉協議会の理事でもある野村五郎さん。

野村さんは「何かやってもいいし、何もしなくてもいい。いる人と話してもいいし、話さなくてもいい。何か困ったことがあるときに、飛び込んでいける場所がなかったら、とにかく来てください」とにこやかに話します。

寄ってケアを利用するお母さんたちからは「ここは何より野村さんのお人柄が魅力。野村さんの人をひきつける力はすごい。子どもたちもとても懐くんです」との声。

その貫禄と包容力は、まさに頼れる地域のお父さん。子どもたちにとっては、成長を見守ってくれる優しいおじいちゃんのような存在です。

スタッフのMさんも、長年たんぽぽに携わってきた方。穏やかな笑顔で心をほどいてくれます。いつも清潔な寄ってケアですが、それもMさんの細やかなお気遣いのおかげです。

「プライベートなことは聞かない。いない人の話はしない。他の人に言わない。ここは安心して好きなことができる場所です」とMさん。

「自宅にこもらず、まちなかを散歩して、ここへふらっと寄っていただければ」と話してくださいました。

NPO法人こどもエコクラブ飯能wのメンバーによる講座も、好評開催中です。

講師は子育て世代のお母さんたちで、メニューもさまざま。

毎月第2火曜日は、助産師さんによる相談会「妊婦さん&産後ママお話サロン」。

第3火曜日には、マスクスプレーや化粧水などのアロマクラフトづくり講座、ハンドトリートメントも受けられます。

第4火曜日は、エコ素材の絵の具で、ステンドグラスのような絵が描けるディンプルアート講座やネイルケア、耳ツボ。

手づくりの雑貨などを購入することもできます。

赤ちゃんからご年配の方まで、誰でもウェルカム。

いろいろな年代の人と関わることが少なくなりましたが「寄ってケアのような開かれた場所がある」と知っているだけでも、心強いのではないでしょうか。

もちろん、飯能市外の方もどうぞ。毎週火曜日、金曜日、ちょっと疲れたな…、気分転換したいなと思ったら、寄ってケアでひと休みしてくださいね。

※NPO法人こどもエコクラブ飯能Wによる講座は、有料または要予約の場合もありますので、詳しくはお問い合わせください。

関連情報

名称
地域の茶の間 寄ってケア
(たんぽぽカフェ)
所在地
飯能市仲町4-12
TEL
042-978-6934
042-978-6934
営業日
毎週火曜・金曜
10:00〜16:00
(野菜の販売は火曜のみ)
駐車場
あり
キッズコーナー
あり

アクセス

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記事を書いた人:
清水 麻由

飯能周辺のイベントに出没しては、消しゴムはんこなどを彫る人。造形屋。自由人の夫&息子とゆるくて愉快な飯能ライフを送っています(飯能市内で広いおうち探してます)。

  • アート・クラフト屋イワオカフェ
  • くらしの修繕センター・イワオヤ
  • ウッドターニング(木工旋盤)修行中

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