たべる

書いた人:清水 麻由

2021.10.15

人々の健康×地域のつながり「マルトクカフェ」

人々の健康×地域のつながり
「マルトクカフェ」

飯能銀座商店街の中ほどにあるマルトクカフェは、今年10月15日に2周年を迎えました。木を活かした外観が目を引くおしゃれな店構え・・・でもここはただのおしゃれカフェではありません。

マルトクカフェが一般的なカフェとちょっと違うところ、まずはその成り立ちです。オーナーの小室舞さんにお話を伺うと、もともとはカフェではなく居宅介護支援事業所をつくることが目的だったそうです。

ご主人が院長を務める小室クリニックの近くに場所を探していたとき、ちょうど商店街で店舗を貸してくれる話が舞い込んできます。それが「あわや」さんという、昔ながらの日用雑貨店のあったこの場所でした。

せっかくなら事業所に併設して介護相談に来た人や、商店街で買い物をする人が休めるスペースを、と考えていた小室さん夫妻でしたが、中を見学すると思った以上に広い! 「どうせやるならとことんやろう」とカフェの開業も同時に目指すことに。こうして飯能の地域材である西川材をふんだんに使った立派なカフェが完成したのです。

もちろんカフェ店内奥に居宅介護支援事業所も併設されており「ケアプランなかちょう」として、日々ケアマネジャーさんたちがお仕事をされています。

マルトクカフェのもうひとつの特徴は、料理をつくっているのが管理栄養士さんであること。店長の田中祥子さんは管理栄養士として約15年、急性期病院で患者さんの栄養管理をしていました。

「急性期で来る患者さんは、栄養状態の悪い人が本当に多かったです。そういう患者さんは骨もくっつきにくいし、傷の治りも遅い。そこまで悪くなる前に日常的に身体にいいものを食べてもらえる環境をつくるにはどうしたらよいのか、とずっと考えていました」

そんなとき、田中さん行きつけの美容室の美容師さんから準備中のマルトクカフェを紹介されます。同じ美容室に小室さんのご主人も通っていたのです。

こうしてご縁がつながり、田中さんのつくる塩分や油分控えめの身体に優しいメニューが、マルトクカフェのこだわりとなります。メインはもちろん、小鉢から漬け物、スイーツにいたるまで全て手づくり。素材の味を大切にした味わいは年齢を問わず人気です。

食材は商店街のお米屋さんや魚屋さん、青果店さんから届けてもらい、商店街で働く人たちへランチをお届けすることもあるとか。またカフェの壁面スペースでは、飯能に縁のある作家さんなどの展示会が随時開催されています。こうして地域に根付いた関係性を大切にしているのも、マルトクカフェならではです。

小室さんに今後の目標をお聞きしました。

「コロナ禍で実現していない介護のお話し会などができたらいいなと思っています。飯能も市民の1/3が65歳以上となり、まちなかの問題として介護を身近に感じてもらえれば。それをきっかけに介護の仕事を目指す人が増えて欲しいという希望もあります。あと、商店街では毎朝9時30分にラジオ体操が流れるので、みんなでやってコーヒーを飲んで解散する、なんていう企画も楽しいかもと思っています(笑)」

田中さんのお話しの中には「地域のために何ができるか」という印象的な言葉がありました。

西川材に囲まれたあたたかい雰囲気の店内で、美味しく健康的な食事をしながら地域のつながりも感じられる。そんな場所が商店街に生まれたことは、必然だったのかもしれません。マルトクカフェで自分へのいたわりの時間を過ごしながら、ぜひ飯能のまちなかの魅力を味わってみませんか。

関連情報

店名
マルトクカフェ
所在地
飯能市仲町5-7
TEL
042-978-7776
042-978-7776
営業時間
10:00〜17:00(たまに16時閉店)
ランチ11:00〜売り切れ
定休日
日曜・月曜
Instagram
@martokcafe
Facebook
@martokcafe

アクセス

この記事のタグ

記事を書いた人:
清水 麻由

飯能周辺のイベントに出没しては、消しゴムはんこなどを彫る人。造形屋。自由人の夫&息子とゆるくて愉快な飯能ライフを送っています(飯能市内で広いおうち探してます)。

  • アート・クラフト屋イワオカフェ
  • くらしの修繕センター・イワオヤ
  • ウッドターニング(木工旋盤)修行中

関連記事/おすすめ記事