くらし

私は妊娠中から出産、子育てとたくさんの不安を感じてきました。そんなとき、何より心強かったのは相談できる助産師さんの存在でした。

助産師の田中直子さん（なおさん）は、産前産後のママたちが気軽に相談できる居場所を開いています。

大学病院、助産院で10年勤務し、今は飯能市内外で新生児訪問を10年、乳児健診、産後ケア事業に携わりながら、ママたちの支援をしています。

気軽に話せる会

産後の体調や気持ちを整える「産後ヨガ」、子どもを遊ばせながらおしゃべりできて、一人で来たいママも立ち寄れる「にんぷ＆産後ママサロン」、体も心もよろこぶランチ会「あぶあぶランチ」など、私も産前産後に行きたかったな〜、と思う会ばかり。

いろいろな不安について専門家に相談できるのはもちろん、ママどうしのつながりができるのも、悩みの共有の機会になります。

きっかけはコロナ

活動を始めたのはコロナ禍の2021年。立ち会い出産や面会が制限され、一人で悩みを抱えるママたちの姿を目の当たりにし「今やらなければいけない！」と思ったのがきっかけです。

少しずつ活動の輪が広がり、同じくママたちを支えたいと感じている抱っこ紐の先生や、ヨガの先生とのコラボも企画しています。

ママが楽にできる子育てを

子どもの夜泣きや離乳食、ほかの子と比べてしまって発達を心配したり…。私がそうだったように「自分ひとりでなんとかしなきゃ」と思う人も多いと思います。

そんなママたちの孤独な奮闘に対して、なおさんはこう語りかけます。「ひとりで抱え込まなくてもいいんですよ」

専門家やほかのママたちと話すことで少しでも気持ちが楽になり、ほっとできる居場所。それがなおさんが目指す心地よいママの居場所です。

妊娠期から寄り添って

なおさんは今年から、妊婦さんと家族に向けて「出産準備教室」を始めます。毎回、同じ出産育児はなく、家族で安心して出産を迎えられるようにお手伝いをしたい想いからです。

なおさんは「何か困ったことがあったとき『なおさんに相談してみよう』と頼ってもらえる、近所の助産師になれたらうれしいです」と話します。

なおさんの優しいまなざしと懐の深さは、ママの気持ちをそっと包み込んでくれますよ。