「丸見堂へ行こう!」飯能には、…
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度重なる緊急事態宣言で思うように外食ができず、家飲みの頻度が増えた人も多いのではないでしょうか。スーパーで買ういつものビールもいいけれど、気分を盛り上げるため、たまにはちょっと変わったものを試してみたくなったりします。そんな時におすすめなのが、まちの酒屋さん「丸屋酒店」さんです。
お店に入ると、まずちょっとしたおつまみなどがお出迎え。どれもお酒に合いそうで目移りしてしまいますが、グッと我慢して奥へと進みましょう。そこには壁一面、いえ、空間全体にところ狭しと置かれたお酒たちが。種類もウイスキーなどの洋酒から日本酒まで多種多様。この品揃えこそが、丸屋酒店の真骨頂なのです。
丸屋さんの創業は明治時代までさかのぼります。もともとは「丸屋酒造」という酒蔵の販売部門として、明治16年頃に「丸屋酒店」が誕生しました。お店の蔵にはその頃の資料や、飯能生まれのアーティスト・小島喜八郎さんが描いたイラストも残っています。
昔の飯能は絹や材木などの取引が盛んで、その恩恵を受けた飲食業が栄えました。芸者さんたちが活躍するようになると、必然的に着物やお酒の需要が高まり、酒屋さんもどんどん増えていったのだそうです。そして時代は流れ、40年前までは飯能市内に80軒ほどあったという酒屋さんも今では十数軒ほどが残るのみ。そのうちの一軒が「丸屋酒店」さんなのです。
米づくりから手がけた、地元のお店ならではの一本も
お酒を通じて地域の魅力を感じてもらいたい。そんな想いから生まれたのがオリジナル純米酒「飯能風土季」です。このお酒は丸屋酒店さんが中心となって結成している「一苗倶楽部」が、地元の酒蔵・五十嵐酒造さんらの協力を得て、米づくりから仕込みまでを自分たちで行い作ったもので、一苗倶楽部会員と市内の飲食店のみで楽しめるレアな一本です。※「飯能風土記」とは別のものになります。
「一苗倶楽部」はどなたでも参加できるので、興味のある方は丸屋酒店さんへ!
つくり手の想いまで届けられる場所に
「難しい知識は置いておいて、まずはいろいろ飲んでみて欲しいです」
と、話してくれたのは5代目の井上将太さん。将太さん、実は20代の頃お酒が飲めなかったのだそうです。30代になってから少しずつ試して自分の好みを知り、知識も身につけていきました。
「お客様の好みを聞いたり、前回飲んでいただいたものから次におすすめするものを考えますね。お酒の世界は広いので、あれこれ試して楽しんでもらいたいです。ぼくはちょっと喋りすぎてしまうので、最近は少し抑えるようにしています」
と笑いながら話してくれた将太さん。お酒への愛があふれているのを感じます。
お客様の中には、毎年その時期にしか飲めない日本酒を楽しみに来店される方もいるのだそう。そういったお客さん期待と、蔵元がお酒に込めた想いをつなげる。それこそがまちの酒屋さんの役割なのかもしれません。
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記事を書いた人:
赤井 恒平
飯能生まれ。AKAI FactoryやBookmarkを手がけた、飯能リノベーションの第一人者。地域や人をつなぐ「橋をかける仕事」をしています。
- 飯能市キーマン
- AKAI Factory 代表
- 埼玉県「まちなかリノベ賞」最優秀賞(R2年度)
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