たべる

書いた人:つるまゆ

2022.08.24

奥武蔵登山のおともにおすすめ! こだわりの和菓子「御菓子処 亀屋」

奥武蔵登山のおともにおすすめ!
こだわりの和菓子「御菓子処 亀屋」

飯能銀座商店街の一角にある、和菓子とおせんべいのお店「御菓子処 亀屋」。

もっちりとした薄皮に、ツヤツヤと輝く粒あんがぎっしり詰まったきんつば、きめ細やかな表面に、亀の焼印が押された薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)など、細部までこだわった和菓子が並ぶお店です。

なかでもおすすめなのが、絶品の水ようかん。あんのしっかりとした風味と、さらっとした口あたり。ほんのりとやわらかな甘味が、夏バテ気味の体にしみ渡ります。

今回は、和菓子一筋で腕を磨いてこられた店主の駒井敏宏さんにお話を伺いました。実は、登山が趣味の駒井さん。インタビュー中は登山の話でも大いに盛り上がりました。

登山の行動食にもぴったりの和菓子。奥武蔵登山の行き帰りに、ぜひ立ち寄っていただきたいお店です。

和菓子職人を目指して

創業は明治36年、私で四代目です。うちは代々、何屋っていうのはなくて、曽祖父の糸切り団子から始まり、祖父が喫茶店みたいなことをやっていて。かき氷とか、アイスキャンディとか。その後、父がせんべい専門の店にして、ご贔屓にしていただいています。

私は都内で和菓子を学び、飯能に戻ってそのまま和菓子屋を続けています。もともとせんべい屋だったから、ゼロからのスタート。それなりに時間もかかりました。

修行を始めたときは、和菓子なんて甘ったるくて好きじゃなかったんです。なにしろ若かったので。ところが、先輩に「自分の店の和菓子の味くらい覚えろ」って言われて食べた味が衝撃的に美味しくて。

これまで食べてきた和菓子と全然違う、ところ変わればこんなに味が違うのかって思いました。この味の背景を知るには、3〜4年の修行じゃ足りない。和菓子はそういう心意気で臨む世界だと感じました。

繊細な和菓子と向き合う

和菓子は一年のうちに同じものを習えるのは、一回だけなんです。桜餅、草餅、柏餅、同じ餅菓子ですが、つくり方はそれぞれ違います。あんに関しては、口どけから甘さの種類まで違う。なぜなら、微妙な練り方の差にこだわり、砂糖の種類を吟味しているからです。

生あんは、あずきを裏ごししたものに、砂糖を入れて練り上げていきますが、焦げやすいので火加減の調節が相当難しい。

わらび餅は、もっちりとやわらかな食感を出すために、高度な職人技を必要とします。納得のいく品になるまで、かなりの時間がかかりました。

基本ができていないのに、応用編には進めません。修行中は、自分はまだ職人なんかじゃないんだって気持ちで臨まないと損をする、と感じる機会が何度もありました。

師匠に片腕として使ってもらえるようになったとき、自分に身についている技量がやっとわかったんです。「もっと謙虚になって、いろいろ学んでおけばよかった」と後から思いました。なかなか難しい、でも、おもしろい世界です。

生の水ようかんは、やっぱりおいしさが全然違います。材料は、寒天と水と砂糖とあずきだけ。シンプルだけど、シンプルなものほど難しい。「なぜこうするか」がわかっていないと、なかなかできないものなんです。

液体のものを蒸すときは、どうしても分離してしまう。それを分離しないように仕上げるにはどうしたらいいか、滑らかな口あたりにするにはどうしたらいいか、一つひとつがお菓子づくりのコツ、ミソなんですよね。

塩梅とかさじ加減とか、日本人のモヤっとした言葉であいまいになってますが、理屈がわかるまでが大切なのかと思っています。それが和菓子なんです。

「美味しい」と言ってもらえる和菓子を飯能で

飯能に戻ってからは、あらためて自分の和菓子をつくり始めました。原点に戻って配合を見直して、自分なりにレシピを読み解いて、味を調整して。だから、どのお菓子も私が一番美味しいと思える味に仕上がっています。

毎朝4〜5時からすべてのお菓子を手づくりしています。保存料はもちろん使っていません。ですので、賞味期限はどれもその日限りです。

自然環境に恵まれた飯能に戻ったことは、四季を表現する和菓子づくりにも影響していると思います。

都内で働いていたころは、自然はイメージするものでした。お茶席の御用や、和菓子コンクールに出品する五ツ盛の上生菓子をつくるために、図書館で写真集や図鑑を広げたりしていたんです。

飯能では、すぐそこに豊かな自然がありますから。

ここ飯能で、お客さんに「美味しい」って言ってもらえるようなお菓子をつくり続けたいですね。

関連情報

店名
御菓子処 亀屋
所在地
飯能市仲町7-28
TEL
042-972-2507
042-972-2507
営業時間
9:00〜19:00
定休日
月曜日
ただし祝日は営業
Instagram
@kameya_hanno

アクセス

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記事を書いた人:
つるまゆ

長野県上田育ち→東京経由→埼玉県飯能暮らし/自然に囲まれた生活を愛して、2021年に移住/山と緑、自然食と手仕事、コーヒーを楽しむ生活

  • 職業は経理&ライター
  • 登山大好き
  • 和服大好き

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