『ワンナイトチャリーズ』という…
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たべる
今年で19年目、飯能にぐっと近い入間のカフェレストラン
2003年5月にオープンし今年で19年目を迎える「ふらいぱんや」。開業したときから変わらない「野菜たっぷりな昼ごはん」を提供し、たくさんのお客さんを笑顔にしてきた。
ランチでは、地場産の新鮮な野菜でつくったおかずを6種も味わえる彩りプレートをはじめ、主菜は肉や魚、フライなど好きなものがひとつ選ぶことができる。
健康面を配慮した七分づきごはん、玄米ごはんはなんとおかわり自由! 食後には手づくりデザート(3種盛り合わせ)が登場。コーヒー、紅茶も何杯でも飲めるので会話がますます楽しくなるカフェレストランだ。
ふらいぱんやではランチだけではなくお弁当も販売。テイクアウトも行い、注文が入れば配達も行う。「今まで一番遠くまでお弁当を運んだのは、サマーランド…ランチを休んで128個ほどつくりました」テレビのロケ弁を頼まれることも度々、飯能市内の幼稚園から大学まで注文があるという。
ふだんは幼稚園や学校へ配達することが多い。「お弁当に感謝」と話す佐藤さん、コロナ禍でお店への客足が途絶える中、お弁当の注文が入ることが励みになったそう。取材したこの日も「今日はテイクアウトのお弁当はありますか?」とお客さんに質問されていた。
今回は店主の佐藤茂子さんに、ふらいぱんやをはじめたきっかけや魅力をインタビュー。これから「カフェをやってみたい!」「自宅で開業したい!」という方に参考になればとたくさん話してくださった。
きっかけは、ママ友とケーキ屋さんごっこ
「最初は子どもの幼稚園で知り合ったママたちとフリーマーケットで手づくりのケーキを販売していました。それぞれが得意なスイーツでケーキ屋さんごっこをして、そのうちパン屋さんに置いてもらうなどオーダーを受けるようになりました」
あるとき、狭山市の丸安家具店に「クラフト・喫茶コーナーをつくるので、ケーキを収めてもらえないか」と声をかけられ大きな転機になる。他にもレストランニックスでウェディングケーキの注文が入ることもあった。
年数を重ねるうちに「注文を受けてからつくるのではなく、お客さんにケーキを食べに来てもらえるようになりたい」と自然に囲まれ桜も眺められる場所を見つけ、念願叶って入間市野田に店舗兼住宅のカフェレストランを開業。
「絶対この場所がいい!と主人に手紙まで書いて、ようやくオッケーをもらって建てることができました」と当時を振り返った。
オープンしてからは毎日お店のことを考える日々、当時3人のお子さんたちは小学生。元気な男の子のお母さんでもある佐藤さんが、子育てをしながら働く生活は決して平坦な道のりではなかった。
「うたた寝の睡眠が原因で、2〜3年のあいだに車の事故を3回も起こしました。でも生きていてよかった!」と笑う佐藤さん。
仲間もスタッフになり、みんなで協力して営業をするも昼間はランチの準備、夜や朝方にケーキづくりで休む暇はなく、買い出しに行けば駐車場からすぐには降りられないほど疲れがたまっていた。
SNSもない時代、集客は広告とイベント出店
認知されるようになるためフリーペーパーに広告を出し、インタビューにも応じた。地域のイベントやお祭りから出店依頼のチャンスがあれば欠かさず参加し、時間をかけながらゆっくり地元の人たちに愛されるお店づくりができるようになった。
「誘われたことにNOと言ったことはなくて、今思えばそれがよかったのかも。特に狭山商工会議所にはずいぶんよくしていただきました。無料で相談に乗ってもらえて、コンサルから直接ためになるアドバイスを受けられます。今後自分でお店を持ちたい人や新しいことを始めたい人は頼ってみるといいですよ」
現在、佐藤さんはSNSも発信し特に力を入れているのがインスタグラム。こまめに投稿することで問い合わせやフォロワーも増え認知度がさらに高まった。
ふらいぱんやでも春と秋には「手作りマーケット」を開催し店内や駐車場、テラスを開放して雑貨やパンなどを出店し多くの来場者を呼んでいる。
今後はコミュニティーの場として利用してもらえたら
ふらいぱんやとともに駆け抜けてきた19年。今後お店をどうするのか考える時期が来たと佐藤さんは感じている。
「これから先は『何かやってみたい』という方には店内をお貸しできればと思っていて、小上がりのスペースで作品展示やコンサートなども可能です」店内にはピアノもあり演奏時には無料で弾くことができる。
入り口ではクラフトの雑貨販売も行い、個性豊かな手づくり商品が勢ぞろい(飯能の作家さんのクラフト商品も)。ランチに来たお客さんがお土産に買っていく場面を見かけた。
「他にも曜日ごとに教室も開いてフライパンで焼くケーキ講習やピアノ教室、占いなど…多岐にわたります。オープン時からランチと喫茶に加えて、委託事業販売や各種教室を開いています。飲食だけで留まりたくない思いで店づくりをしてきたおかげで、いろんな分野の方に出会えて楽しいですね」佐藤さん自身もピアノ教室の時間には、生徒の一人になって教わっているそうだ。
私も2021年12月に、ふらいぱんやで約1か月に渡りイラスト展を開催。食事を楽しみながらじっくり作品を観てもらえるチャンスに恵まれた。
作家が自分で展示をする場所を探すのは、なかなか一苦労。ふらいぱんやは無料でスペースを借りられ、佐藤さんと相談しながらやりたいことを実現できる。チャレンジしたい人はぜひ問い合わせてみてくださいね。
食べるだけでは終わらない、バラエティーに富んだふらいぱんやは、ワクワクが詰まった玉手箱のようなお店だった。
関連情報
- 店名
- ふらいぱんや
- 所在地
- 入間市野田809-2
- TEL
- 080-5011-3904
- 080-5011-3904
- 営業日
- 火曜〜金曜
(月曜はヘルシーCooking)
- お休み
- 土曜・日曜・祝日・8月
土曜はご予約のみ可
- 営業時間
- 11:00〜16:00
(ランチタイム 11:30より)
- @furaipanya
- @Furaipanya
アクセス
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記事を書いた人:
飯塚 まりな
イラストレーター兼ライター(主に人物取材を好む)。最近は愛車で過ごす車中ランチが生活の一部。夢は発展途上国で医療や教育に関わる日本人の取材。
2021年に働く30代男女の仕事や生活についてインタビューした『〜西武沿線上で探した〜近所の30代「今」何してる?』を全国の天狼院書店発売(2022年1月まで)。
- 『ちいき新聞』レポーター(2020年〜)
- 『ショッパー』レポーター(2019年〜)
- 介護福祉士
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