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ライター:つるまゆ

【レポート】はんのーとパーマカルチャー講座(第2回)

【レポート】
はんのーとパーマカルチャー講座(第2回)

ゆっきーさんが講師を務める「はんのーとパーマカルチャー講座」。「自然が永続する仕組み」をデザインして、日々の暮らしに活かす講座の2回目が開催されました。

パーマカルチャーとは?を学んだ第1回の座学から、今回はフィールドワーク。ゆっきーさんがパーマカルチャーを実践している、飯能市名栗の畑に集まりました。

しかし暑い! 真夏の日差しのなか、参加者のみなさんは手に水筒を持って帽子をかぶり、万全の暑さ対策です。

畑を「デザイン」?

まず、ゆっきーさんが広げたのは、畑の地図。

パーマカルチャーはその土地の「デザイン」を起こすことから始まります。理由は自然の仕組みをできるだけ活かすため。デザインとはつまり、土地の特性をよく知ることなのです。

たとえば、畑には日陰が少ないため、蔓状に育つキウイを植栽します。夏は棚に枝をはわせて日陰をつくり、冬は落ち葉が地面を寒さから守る役割を果たしてくれます。

また、畑には水場が欠かせません。廃材でつくられた納屋の屋根には、雨水を効率よく貯められるように工夫されています。まずは畑のデザインをみんなで確認、それから実際の見学に移りました。

スパイラルガーデンから教わる、適材適所の意味

畑には木の枠がいくつも並んでいます。木枠ごとの間隔は70cm。一輪車が通れる幅と決まっているそうです。

トマトや大豆など一年で終わる作物から、何年もかけて大きくなる樹木まで、デザインをもとにさまざまな植物が育ち始めています。

畑をぐるっと見渡すと、何やら存在感のあるらせん状の石積みが。高さ約1m、直径約2mの石段で、すき間は土で埋めてあります。北側には池があり、葉を広げた水生植物がプカプカ浮いています。

ゆっきーさんいわく、うず巻き(スパイラル)ガーデンという、パーマカルチャーではおなじみの栽培方法の一つとのこと。

この独特の形のおかげで、日向や日陰、乾燥した場所、湿り気のある場所など、すこしずつ異なる環境が生まれます。その結果、日光が好きなハーブ、湿り気が好きなハーブなど、植生に合ったハーブが手をかけずに育ってくれるというから驚きです。

地元の方の知識を学ぶ

数年前は沖縄に暮らしていたゆっきーさん一家。パーマカルチャーの知識は豊富ですが、名栗地域での活動はまだ始まったばかりです。

そんなゆっきーさんが頼りにしているのは、お隣で畑を営む先輩農業者さん。鳥獣害対策から、種まきの絶妙なタイミングまで相談できる、力強い存在です。

作物を育てる条件は、気候や風向き、土の性質など地域によって微妙に異なります。土地のことは、その土地に住んでいる人に頼るのが一番の近道。同じ地域で何十年も作物をつくり続ける先輩の観察メガネ、ほしい!

シュロカゴ、完成!

名栗でのフィールドワークのあとは、楽しみにしていたシュロのかご編み体験です。あらかじめ水につけて用意されたシュロの葉をそれぞれ選び、編み方のレクチャーを受けていよいよカゴ編み開始!

参加者のみなさん一人ひとりが、ものすごい集中力で作業に没頭。ほぼ会話もなく、室内にはシュロの長い葉を編み込む音がサワサワと響きます。

気がついたら、開始からあっという間に2時間が経過、身近なシュロの葉から、個性の詰まったカゴができあがりました。

第3回の講座は、晩夏と初秋の野草を味わう会です。ウルイ花、ムカゴ、葛花? 本気で道草を食ってきます!

写真:赤井恒平

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記事を書いた人:
つるまゆ

長野県上田育ち→東京経由→埼玉県飯能暮らし/自然に囲まれた生活を愛して、2021年に移住/山と緑、自然食と手仕事、コーヒーを楽しむ生活

  • 職業は経理&ライター
  • 登山大好き
  • 和服大好き

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