こんにちは! はんのーとライタ…
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はたらく


そもそも店名でもあり、よく登場するキーワード「ひとりごこち」って? 「ひとりごこちよい」って、どういう感じ?

ぼくは初めて店名を聞いたときから、頭の上にそんな?マークがたくさんつきました。他にも?がついた方は少なくないんじゃないでしょうか。
「選書のこだわり」と「空間づくり」の2点に関連づけながら、この「ひとりごこち」を深堀りしていこうと思います。
選書のこだわり
「『ひとりごこち』とは『自分が感じるまだ言葉になっていない感触を含めた自分のここち』のこと」
最初に選書のこだわりについて伺ったとき、紗緒さんはそう答えてくれました。

本屋ひとりごこちさんの選書の軸は「ひとりごこちよさを感じる本」と、「自分のひとりごこちよさを他者に表明する本」の2つだそうです。
それは、
- 自分にとってのひとりごこちに、本を通して向き合えること
- 他者のひとりごこちが詰まった本を読むことで、自分のひとりごこちを見つけられること
ぼくは本棚を眺めるたびに「関わり方の優しい本が多くていいなあ」と感じていましたが、しっかり言語化されると、なるほどしっくりきます。

実際、本棚にはいわゆる「最短距離の答え」を示すようなビジネス書・自己啓発書的なものは少なめ。
写真集、デザイン、空間づくり、絵本のようなビジュアル面の感性を刺激する本や、内面を紐解く詩歌集やエッセイのような本が揃っています。
時代によって変化する価値観ではなく、普遍的な「自分なりの答え」を探す手助けになる本。
それがまさしく選書のこだわりとなっている「自分のひとりごこちを見つける・伝える」本なんだろうな、と思います。
空間づくり
そして選書に次ぐもう一つのポイント、本屋ひとりごこちさんの空間づくりについて。
みなさんは本を読むときに、最初の1ページ目から最後のページまで、本から全く目を離さずに読み終えることってありますか?
誰しも読みながら箸休めのように文章から目を上げて周囲に意識を向けたり、頭の中の思考にシフトするような「読書中に本を読んでいない時間」があるんじゃないでしょうか。

本屋ひとりごこちさんは、そんな「本を読んでいない時間こそ大事なんじゃないか」という視点から、あえて本を読んでない時間が成立する空間を意識してるのだそう。
矛盾したように聞こえますが、実際にお店で読書していると、窓からの景色に季節を感じたり、本棚の背表紙を眺めながらふと別のことを考えたり、店内のBGMに耳を傾けたり、そんな読書と読書の間(あわい)の時間が確かにあって、それがひとりごこちよく感じさせてくれています。

「気持ちが平常でいられる、ニュートラルでありつつも、少しプラスに振れているような心地よい感覚」が「ひとりごこちよい」ことなのかな、とお二人と話していて感じました。
「ひとりごこち」は店名でもあり、考え方でもあり、それぞれの感じる心地そのものでもあり。
「ひとりごこち」を連れ出すように、買った本をどこかへ持ち出して読んだときに、そこがパーソナルな心地よいスペースになること。
そうやって人から本や空間を介して、別の人、別の空間に伝わって「ひとりごこち」がまちに広がるといいな、と考えられているそうです。
もっと深堀り!
物足りない方(果たしているのだろうか…)のために「ひとりごこち」という感覚について、もう少し深堀り解説。
文章、イラスト、写真、音楽、空間etc…形式を問わず、何かを表現したものに触れるときは、たとえ自分一人であっても、その作品を介して他者とのコミュニケーションが生まれていて、それは内へ向かった「こもる」ではなく、外に向かって自分を「ひらく」行為。

そして、それは自分と世界との間(あわい)にある感触を楽しむということ。
自分にとって心地よいを感じたさまざまなモノ・コトと、自分を包む状況そのものに対しての感受性をそのまま表せるのが「ひとりごこち」という言葉。

言葉にできない部分こそが財産で、言葉にできないけれど理解できることが人間の強さでもあり、言葉にするとすり抜けていってしまう感覚にこそ「ひとりごこち」が詰まっている。
もちろん人によって感覚は大きく変わるけれど、ただ単に「きれいだった」「楽しかった」と言うよりも「ひとりごこちよかった」と言ったほうが伝わる感触があるんじゃないだろうか。
…と真拓さんに説明してもらって、ぼくもようやく「ひとりごこち」の輪郭が掴めてきました。
それは全く新しい発見ではなくて、今まで自分が感じていたけれど言語化できていなかった感触に「そうか!これは『ひとりごこちよい』って表現すればよかったのか!」となる感覚。
すごーく腑に落ちました。言語野のアハ体験。
「飯能らしいね」と言われるお店
ぼくは、ひとりごこちさんはとても「飯能らしい」場所だなあと思ってますが、そのことを伝えたときに真拓さんが教えてくれたのは、
「自分たちが伝えたいこと、大事にしたいことをお店でやろうとした先に、結果的に『飯能っぽいね』と言われる瞬間があった」ということ。

紗緒さんも「飯能には自分のひとりごこちを探求したようなお店がたくさんあって、そういう意味では先人がたくさんいるような感覚」と話されていました。

ということは、飯能ってもともとひとりごこちよい場所で、そこにひとりごこちさんが来たんだと考えたら、何だか面白いなと思ったり。
ついでに、ぼくがずっと飯能に住んでいるのは、ここがひとりごこちよいからだったんだなと自分の再発見もできた次第です。
いろいろな偶然が重なって、ぴったりな場所でぴったりな建物が見つかって、お店が始まって多くの人に親しまれる。すごく素晴らしいことだなと思います。

結びに
取材の最後に本オープンからの感想と、本屋「ひとりごこち」として今後目指すことを伺いました。

-紗緒さん-
思っていたよりも、地域の方々が足を運んでくださるのがとてもありがたいです。
もともとあった建物を残したまま新しいことを始めて、どういう風に思われるかな?と不安だったけど、むしろみなさん「残してくれてありがたい」「こういうお店が増えてうれしい」という声をいただくので、継続できるように。
この店が開き続けることで、まだ飯能に馴染みのない方とか、これから飯能で何かやりたいという方の何か背中を押せる存在になれたらいいなって思います。
デザインの面でも手伝えることがあるので、たとえば何かお店をやりたいって人が来たときも相談に乗れる存在でありたいです。

-真拓さん-
最初に段階的なオープンを心がけたのも、東京から足を運びやすい距離なこともあって、外から来る人だけで盛り上がってしまうと、地域にいる人が置いてかれてしまうのを避けるためでもあったんです。
今後は地元の人と遠方から足を運んでくれる人が混ざるような空間、それをちょっとずつつくっていけたらいいなと思っていて。
これから先もイベントの予定があったり、展示を開催するみたいな機会もあるので、飯能の人と外から来られる方々がいい距離感で混ざって、それぞれが「ひとりごこち」を過ごしてもらえたらな、と思ってます。
デザインに、飯能に限らず、何か新たに始めたいと思ったら、ひとりごこちさんへ行ってみるのがおすすめです。本から、空間から、会話から、きっといいきっかけが生まれます。
神岡真拓さん、紗緒さん、お忙しいなか、取材させていただきありがとうございました!
スタッフの篠澤さんもお店の準備中にも関わらず、撮影のお手伝いをしていただきありがとうございます!
「ひとりをひらく」ことで「ひとりごこち」が見つかる場所。みなさんもそれぞれの「ひとりごこち」を探しに訪問してみてはいかがでしょうか。

関連情報
- 店名
- 本屋ひとりごこち
- 所在地
- 飯能市山手町2-15
- 営業時間
- [平日]
7:30〜10:00(L.O. 9:30)
12:00〜17:00(L.O. 16:30)
[日・祝]
10:00〜17:00(L.O. 16:30)
- 定休日
- 火・金・土
- @hitorigocochi_books/
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記事を書いた人:
マナベ タクヤ

インドアもアウトドアも大好きな、生まれも育ちも暮らしも飯能の98年生まれ。
もっと地元と関わって暮らしていきたい想いからライターに。最近は林業、森林を中心に山間部の活性化に関心を持っています。
- ライター、フォトグラファー、アウトドア系なんでも屋
- 広め浅め時々深めなマルチツール系人間
- ゆるーくオフグリッドしていきたい野望あり
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