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ライター:ハネジ ユキエ

【レポート】トークイベント「自分の物語から始める新しいビジネス」

【レポート】トークイベント
「自分の物語から始める新しいビジネス」

「自分らしいビジネス」って、一体どこから始まるものなのでしょうか。

世の中にあふれる正解や、誰かが決めたルール。そんな外側のものさしではなく、自分自身の内側にある「物語」を拠点に事業を捉え直す。

そのヒントが詰まったトークイベント「自分の物語から始めるビジネス」に参加してきました。

登壇者は、著書『ナラティブモデル』で知られる酒井博基さんと、飯能のまちづくりを牽引するAkinai代表の赤井恒平さん。

飯能に誕生した新しいビジネスの支援拠点「偏愛デパートメント・やまにわ」。

その幕開けにふさわしい、ビジネスの伴走支援を担ってきたお二人による対談の内容をお届けいたします。

「偏愛」は、誰かの幸せにつながっている

イベントの冒頭、赤井さんが投げかけたのは「なぜ今、偏愛なのか?」という問いでした。

「偏愛」とだけ聞くと、どこか独りよがりで、マニアックな印象を持つかもしれません。

でも、赤井さんが飯能で多くの起業相談に乗るなか気がついたのは、相談者の「強すぎるこだわり」を聞いている自分自身が、いつの間にかワクワクしているという事実だったのだそう。

「誰かの強い『好き』は、まわりをも幸せにする。この偏愛から、飯能のまちに幸せを増やせるんじゃないか」

そんな想いから、新しい拠点を「偏愛デパートメント・やまにわ」と名付けたそうです。

内側にある熱狂が、誰かの共感に触れたとき、それは自分だけの物語(ナラティブ)を超えて、社会とつながるビジネスへと育っていく。

酒井さんは、そこに「ナラティブ」との共通点を見出します。

そもそも、ナラティブとは何か?

酒井さんはナラティブを「出来事そのものではなく、それをどう受け取り、どう意味づけたか。語り手自身が主人公の物語」

たとえば、ふと立ち寄ったセレクト本屋で「あ、この棚いいな」と感じることが、ありますよね。

それは単に本が並んでいるからではなく、店主がその本をどう読み、どう人生に組み込んできたかという「経験と解釈」が棚に滲み出ているからだと、酒井さんは話します。

市場や正解ではなく、個人を拠点に事業を捉える視点。これがナラティブモデルの考え方だそうです。

効率よりも「主観的な確信」を味方に

ビジネスの世界では、よく「客観的な根拠(確証)」が求められます。データ、市場規模、競合分析など。

もちろん大切ですが、裏打ちされた論理を持ってでも、数年たてばなぜ社会を動かす力を持てないのかと、壁にぶつかることも多いですよね。

酒井さんのお話で特に印象的だったのが「確証(客観)」と「確信(主観)」の違いです。

  • 確証のビジネス:数値に基づいた効率的な道。でも、環境が変われば足元が揺らぐ
  • 確信のビジネス:「自分がこれをやるんだ」という内発的な動機。いばらの道でも進み続けられる強さ

「ビジネスを、人生のスケールで捉え直すこと」

自分の内側にある動機を言葉にし、他者との対話を通じてプロジェクトに変えていく。そのプロセスがあるからこそ、デコボコ道も歩んでいけるのだそう。

飯能という「余白」に、あなたの偏愛を

赤井さんの「飯能には、自分の『好き』を差し込める余白がある」という言葉は、飯能の今の様子をそのまま表しているような気がしました。

コロナ禍を経て移住者が増え、このまちで何かを始めたいという人が飯能には集まってきています。

そんな可能性があるまちで「誰かの偏愛」を独りよがりで終わらせず、まちの幸せへとつなげていく。

自分の物語をビジネスに変えていくのは、決して特別なことではなくて。

自分の内側にある熱量を信じて、まずは言葉にしてみる。そこからすべてが始まっていくのかもしれません。

「偏愛デパートメント・やまにわ」という飯能の新しい拠点に、自分の「好き」を携えて、ふらっと遊びに行ってみてください!

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記事を書いた人:
ハネジ ユキエ

生まれ育った沖縄を離れ、2024年春に飯能へ移住。

ものづくり、暮らしを豊かにするモノ、地域を元気にするヒト、大人からこどもまで楽しめるコトを取材しています。最近は、いちご栽培のお手伝いと家庭菜園に夢中。しゃべるとなまってます。

  • カメラマン兼ライター
  • 紙もの全般、動画などの制作ディレクター
  • 書籍づくりに向けて活動中

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