飯能を代表する景勝地、飯能河原…
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はたらく
数年前に始まったクラフトビールブーム。その勢いは止まることなく、全国各地にマイクロブリュワリーが誕生しています。
特に地方都市では、その土地の特徴を取り入れた個性豊かなビールがつくられていて、観光客をはじめ地元の人たちにも愛されるなど根強い人気があります。
もちろん飯能にもあります。つくっているのは別の記事でレストランをご紹介した「CARVAAN」。素材から製法までこだわったクラフトビール、飯能の食材を使った地ビールについて、お話を伺ってきました。
素材から手がけるクラフトビール
取材させていただいたのは、CARVAANでビール醸造を担当しているブルワーの木村栄さんです。
「よろしくお願いします! それでは、まず畑に向かいましょう!」え?いきなり畑??醸造所ではなくて?
考える間もなく、軽トラに放り込まれ、向かった先は飯能の中でも里山の風情が色濃く残る南高麗地区。
そこには、5mほど高さのある植物がありました。
「ここでビールの原料として使うホップをつくっているんです。とはいえ、栽培がなかなか難しくて、全部のビールに使うほどの量は採れません。なので、年に一度だけの季節限定ビールとして提供しています」
ふきのとうのような形をした鞠花を割ってみると、黄色い粒が出てきました。鼻に近づけてみると、クラフトビールで飲んだときのあの華やかな香りがします。
これがビールに香りと苦味を与えてくれるのだそうです。他にも、柚子やかぼちゃなど飯能の食材を使った限定ビールが季節限定で登場します。
ビールで世界の文化を表現する
レストランの記事でご紹介した通り、CARVAANを運営しているFAR EASTは貿易業を行っています。その強みを活かし、ビールづくりに使う素材は厳選したものを集めることができます。
たとえば、ビールに欠かせないモルトはベルギーにある老舗の精麦会社から仕入れていたり、他にもエジプトからコリアンダー、コロンビアからカカオニブなど副原料も直輸入。
そして、素材だけではなく世界中のビールのエッセンスを取り出し、CARVAAN流にアレンジして様々なビールをつくっているのです。
そうして生まれた4種類のスタンダードラインと、4種のシーズナルビールが、飯能、渋谷、横浜のレストラン、飯能駅前、渋谷地下街のビアハウスで楽しむことができます。
生産が追いつかず危機的状況に
東京にも展開して人気を博している飯能生まれのビールですが、一時期は大変な状況だったとか。
「渋谷にレストランをオープンしてから、ビールの消費量が急激に増えて生産が追いつかなくなってしまったんです」と木村さん。
それまで、醸造所は飯能のレストラン内で行っていたのですが、新工場を増設することになったそうです。レストランの敷地内に既存の4倍ものサイズのタンクを備えた施設をつくり、今では年間21万リットルのビールをつくれるように。
さらに、製造量増加だけではなくビンや缶に詰めるための設備を設置したり、クラフトジンをつくる蒸留器も入れました。
それにしても、ホップ栽培から10種類以上のビールづくり、イベントでの販売まで、常に挑戦し続けている木村さんのバイタリティはどこから来ているのでしょう?
「何でもすぐに手に入る世の中だから、興味を持ったことをとことん調べて、自分でゼロからつくってみたいんですよね」
木村さんは、原点を追い求めるCARVAANの理念を体現している人なんですね。飯能のクラフトビールは、一人のブルワーの探求心とチャレンジ精神から生まれていたのです。
その結晶ともいえる一杯を、まずは飯能駅前のお店で楽しんでみては。月に一度、週末限定ビールが出ていることもあるそうなので、店頭ポスターや公式SNSをチェックしてみてください。
関連情報
- 店名
- CARVAAN CRAFT BEER & GRILL
- 所在地
- 飯能市仲町11-21
西武飯能PePe 1階 北口ロータリー
- TEL
- 042-978-7907
- 042-978-7907
- 営業時間(月〜金)
- 16:30-22:00
(L.O. Food 21:00/Drink 21:30)
- 営業時間(土)
- 11:30-22:00
(L.O. Food 21:00/Drink 21:30)
- 営業時間(日)
- 11:30-21:00
(L.O. Food 20:00/Drink 20:30)
- 定休日
- 不定休
- @carvaan_official
アクセス
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記事を書いた人:
赤井 恒平
飯能生まれ。AKAI FactoryやBookmarkを手がけた、飯能リノベーションの第一人者。地域や人をつなぐ「橋をかける仕事」をしています。
- 飯能市キーマン
- AKAI Factory 代表
- 埼玉県「まちなかリノベ賞」最優秀賞(R2年度)
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