特集・連載

ライター:坂本 幸

2021.11.05

木になるものがたり(第2回)山の仕事人に会いに行く

木になるものがたり
(第2回)山の仕事人に会いに行く

こんにちは、建具屋の幸(ゆき)です。日に日に秋が深まる里山を背に、今日も工場ではさまざまな建具をつくっています。先日、たぬきが一匹、裏山から工場前の堀へ向かう姿を目にしました。

西川材のふるさと

さて秋といえば、西川林業地でもこれから伐採のシーズンです。市街地からのアクセスがよく、身近な自然とすぐふれあえるのも、飯能の魅力ですね。

そこで今回は、山の方面へ。主に建築資材としてスギやヒノキなどを植林した歴史を持つ東吾野地区で、素材生産の仕事をしている「フォレスト萩原」を訪ねました。

代表の萩原さんは、先代の事業を継ぐために、なんと蕎麦屋さんから木こりへ転身し、2009年に群馬から家族で飯能へ移住されました。

「山の仕事をやってみたら、おもしろくなっちゃった」飯能で先代の仕事を手伝ったことが、山の仕事をするきっかけだったそうです。

木こりの想い

スギやヒノキを植林してから伐採するまで、長い年月がかかります。その間「木こり」の仕事は、山林所有者とともに、山を後世まで継続して整備する役割があります。木材となる木を育てるには、山の手入れが欠かせません。

自然を相手に働くことは、並大抵のことではないはずですが、それでも継いだ萩原さんにとって「山仕事」とは何でしょうか。

「仕事で山に入ると、まだまだ手入れしなければならない山がある。これからも山に元気でいてほしいからね。自分にとって、西川材の山は生活であり、人生そのもの」

樹木の成長は、人の一生と比べても長い。これまでも、そしてこれからも時を超えて循環する山の姿を見ていられるということは、山とともに生きる人たちの姿があってこそ。木を使う立場である私も「輪」でつながっていく、ものがたり。

萩原さんとお話しして、未来に残したい飯能の風景がまた一つできました。

西川材に逢う

「雑貨&カフェ kinoca」は、東吾野地区にあります。

優良な西川材がふんだんに使われた、地元の木の匠による伝統工法の木組みと、現代のプレカット工法の両方を見ることができる貴重な建物。木の香りに癒されながら、のんびりランチ&スイーツがいただける空間です。テラス席や小上がりスペースもあり、お子さん連れにもうれしい。

こちらは、オリジナル西川材キャラクター「まるたん」。

こだわりの西川材雑貨のアンテナショップとして、お買い物も楽しめます。

ちょっと一息つきたいとき、リフレッシュしたいとき、kinocaさんへ行けば、木の香りとスタッフのみなさんの笑顔が、やさしく出迎えてくれます。

関連情報

店名
雑貨&カフェ kinoca
所在地
飯能市虎秀36-4
TEL
042-978-8814
042-978-8814
営業時間
雑貨スペース 10:00〜16:00
カフェタイム 10:30~15:30
ランチタイム 11:00~14:30
定休日
木曜・金曜
HP
https://kinocaori.com/
Facebook
@kinocaori
Instagram
@zakka_cafe_kinoca

アクセス

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記事を書いた人:
坂本 幸

木工所勤務。インテリアに合わせた建具や家具の設計提案に加えて「ひとつぼキャビン」や「KADOU」など、西川材を使った新しいものづくりにも力を注いでいる。

  • インテリアコーディネーター
  • 木工インテリア相談員
  • 木育デザイン虎の穴講座 講師

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