特集・連載

2021.11.04

若手建築家特集 vol.3 太田陽貴さん(ヒダマリデザイン設計室)

若手建築家特集 vol.3
太田陽貴さん(ヒダマリデザイン設計室)

家の中に陽だまりを。朝日で目覚める光の住宅

若手建築家特集第3弾は、ヒダマリデザイン設計室の太田陽貴さんです。

以前一度、太田さんが設計された住宅にお邪魔したことがあります。窓から入ってくる光がまるで絵画のように壁に映し出されていたのが印象的でした。その時は12月だったのですが、窓が大きくたっぷりの日差しが降り注いでいて、室内は暖かく快適な空間でした。

「家と外を遮断するのではなく、緩やかにつながっている感じ。窓の外に見える緑を楽しんだり、起きる時は朝日で目覚める。そんな家をつくっています」

と、太田さん。しかし、ただ窓を大きくするわけではありません。外から家の中が見えないよう必要に応じて視線を遮ったり、夏の日差しが入らないよう軒を深くするなどの工夫も施します。また、夜はこうこうと明るくするのではなく、照明の光が直接目に入らないように間接照明を使ったりと、太陽以外の光もコントロールすることで、一日中快適に過ごせる家づくりをしているのです。

「木」という素材を求めて飯能へ

太田さんのキャリアのスタートはハウスメーカーでした。希望通りの設計業務を任され、家をつくるという仕事の基本を学ぶことができました。しかし経験を重ねるうちに、設計といっても部分的なものだったこと、決められた素材しか使えなことに疑問を持ち始めたのだそうです。

そして結婚を機に会社を辞め、いくつかの設計事務所を経験したのち2013年に独立。所沢の自宅に事務所を構えた太田さんは「木」という素材を求めて西武線を下り飯能へと向かいました。そこで、木材の関係者が集まっている、NPO法人 西川・森の市場と出会ったのです。

森の市場には林業を生業とする人、製材所を営む人などが所属しており、どのように地元の木材「西川材」が育てられ、木材から建材になる工程を担う人たちの顔が見えます。つまり山から切り出され建築になるまでのルートが見えるのです。太田さんは設計士として参加。そこから飯能との関係が始まりました。

家の完成度を決めるのは、人と人との関係性

太田さんは、どの工程を誰に頼んでいるのか自分がしっかりと把握し、それぞれの担当と顔が見える関係を築けているかどうかを大切にしています。設計に取り入れる「光」、家をつくる素材としての「木」、そして丁寧に仕上げてくれる「人」。こうして太田さんは施主にとって大切な一軒をつくっているのです。

太田さんは今までに飯能で4軒の住宅・店舗を設計しています。その中でも東吾野にある「雑貨&カフェ kinoca」さんは中に入って建物を体感することができます。優しい木の香り、たっぷりと光が入る大きな窓、そしてオリジナルの照明。気になった方はぜひ足を運んでみてくださいね。

関連情報

事務所名
ヒダマリデザイン設計室
住所
埼玉県所沢市上安松233-30
TEL
04-2936-6186
Mail
hidamaridesignsekkei@gmail.com
HP
https://hidamari.design/
Instagram
@hidamaridesignsekkei

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記事を書いた人:
赤井 恒平

飯能生まれ。AKAI FactoryやBookmarkを手がけた、飯能リノベーションの第一人者。地域や人をつなぐ「橋をかける仕事」をしています。

  • AKAI Factory 代表
  • 「まちなかリノベ賞」最優秀賞(R2年度)

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