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ライター:飯塚 まりな

2025.02.24

飯能クリエイターファイル(No.27)トランペット奏者・飯田玄彦さん

飯能クリエイターファイル(No.27)
トランペット奏者・飯田玄彦さん

関東を中心に飯能でも活動されているミュージシャンの一人、トランペット奏者の飯田玄彦さん。

現在はジャズを中心に、都内のレストランやバー、パーティ、結婚式など多彩なシーンで演奏をしています。複数のバンドをかけ持ちし、最近では「泥沼」という自身のバンドも立ち上げました。

3月1日(土)の音楽イベント「はんのう音楽さんぽ」では、音楽プロデュースを担当し、「Funk Up Brass Band」「泥沼」2つのバンドで出演する予定です。

取材当日はトランペットとフリューゲルホルンを見せていただきました。

トランペットの音色は、パーン!と遠くまで飛んでいくハリのある音、フリューゲルホルンは丸みのなかにどこか色気を感じる音が特徴です。

実はライター飯塚は中学時代、吹奏楽部に所属。引退するまで音楽室に行かない日はほぼない3年間を送っていました。以降、すっかり楽器とは離れてしまいましたが、大人になって当時のことを思い出します。

てっきり飯田さんも吹奏楽部出身かと思いきや「いや、ぼくは高校3年生までサッカー部でした」と言います。では、どこでトランペットと出会ったのでしょうか?

ジャズのまち、ニューオリンズで暮らして

飯田さんは滋賀県出身。19歳で渡米し、学校に通いながらアメリカを旅していました。旅の途中、ルイジアナ州ニューオリンズのパレードで偶然見かけたトランペッターのカッコよさに惹かれます。

ニューオリンズでは毎週日曜日に「セカンドライン」というパレードを開催し、人々が集まって、即興演奏を中心としたアンサンブルスタイルの音楽が定着しています。

「ボタンが3つしかないのに、いろいろな音が出せて、バンドの中でも一番目立っていたので吹いてみたくなりました。さっそく中古の楽器を買って、自己流で練習を始めたんですよ」

24時間365日、音楽が響くまちニューオリンズで著名なミュージシャンに出会い、音楽哲学を学ぶなどさまざまな出会いを経て日本へ帰国。

その後いったん就職して、神奈川県でサラリーマンとして生活しますが、音楽を諦めることができず、再びニューオリンズを行き来するようになります。

しばらくは日本とアメリカを往復し、30代になる前に結婚。お子さんが産まれ、子育てによい環境を求めて、15年前に飯能に移住を決めます。

バンド名「泥沼」は、大好きなニューオリンズから

ところで、新たに立ち上げたバンド「泥沼」。バンド名がものすごく気になります。「実は人生泥沼…」という意味なのでしょうか。そうではなく、ニューオリンズからイメージしたものでした。

ニューオリンズは、アメリカの中で唯一の海抜マイナスの都市で、温暖化の影響も受けて年々地盤が沈み続けるまちとして知られています。

「湿気は日本以上で湿地帯も多くて、下水も整っているのかわからない環境です。想像よりもまちは汚いし、臭い。でもぼくは好きですけど笑」とジャズのまちを語ります。

バンド名を考えたときに、ニューオリンズの湿地帯が頭に浮かんだと言います。

「湿地帯のことを英語でスワンプと言います。でも、なんかカッコよ過ぎるので、そのまま『泥沼』にしました」

今後は「泥沼」のメンバーと録音やCD制作をしたいとのこと。ニューオリンズの風を感じるような演奏が楽しみですね♪

また、飯能では月に一度、飯能駅北口そばの「CAFE crock」で演奏をしているそうです。月替わりのメンバーが奏でる、セッションの醍醐味もぜひお楽しみください!

写真:赤井恒平

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記事を書いた人:
飯塚 まりな

イラストレーター兼ライター(主に人物取材を好む)。最近は愛車で過ごす車中ランチが生活の一部。夢は発展途上国で医療や教育に関わる日本人の取材。

2021年に働く30代男女の仕事や生活についてインタビューした『〜西武沿線上で探した〜近所の30代「今」何してる?』を全国の天狼院書店発売(2022年1月まで)。

  • 『ちいき新聞』レポーター(2020年〜)
  • 『ショッパー』レポーター(2019年〜)
  • 介護福祉士

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