家の中に陽だまりを。朝日で目覚…
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特集・連載
静かな田舎に引っ越して、広々とした土地に一軒家を建ててみたい。でもせっかく建てるなら、自分のこだわりをたっぷり詰め込んだ家にしたい。そんな人のために送る『若手建築家特集』。第4弾は、DROP DESIGNの清水さんです。
周りの環境を家の中へ取り込むデザイン
取材にお伺いしたのは、清水さんの自宅兼事務所。黒をベースにした重厚感のある外観の建物はもちろんご自身で設計したもの。中は広々としたワンルームになっていて、ダイニングとしてもリビングとしても、事務所としても使えそうです。
そしてなんといっても驚いたのはバイクの数!! 土間には8台ほどのオフロードバイクが並べられているのです。オフロードバイクと自転車は夫婦共通の趣味で、ここに引っ越したのも休日に山でバイクを楽しむため。外の世界を身体で感じられるから車よりも自転車やバイクが好きなのだそう。
小さな模型を見ながら過去の作品のことをお聞きしました。清水さんの設計する家は一見シンプルながらも、大きな窓があるので周囲の景色も楽しめる工夫がされています。
もう一つの特徴は(見た目にはわかりにくいですが)気密性を上げ過ぎないようにしていること。冷暖房効率を考えながらも、適度に自然の風を取り入れられる設計にするのはなぜなのでしょう?
「せっかく田舎に家を建てるのに、まわりの環境を遮断してしまうのはもったいないじゃないですか」
環境を家の中に取り入れる。バイクで常に周辺の環境を身体で感じている清水さんならではの特徴ですね。
木に寄り添い、人に寄り添う
実は木造建築を建てたのは独立してから設計した自宅が初めてだったのだそう。清水さんは前職でマンションや公共施設、店舗などを設計していて、ずっと鉄筋コンクリート中心。独立後、自宅を設計するにあたり木造を選択。そこで「木」という素材のおもしろさに目覚めたのだそうです。
「同じ木でも種類によって特徴は全然違います。ヒノキは硬いのでフローリングに向いていたり、サワラは腐りにくいからお風呂に向いている。スギは柔らかくてまた肌触りが違うんです。設計するときも木に合わせて設計していく。鉄やコンクリートとは全然違いました」
そうして地元の木材関係者が集まるNPO西川・森の市場の会員になり、木材の知識を深めるとともに良質な木材を入手することができるようになったのです。
現在、清水さんは埼玉で新築を一軒、店舗併用住宅を一軒、茨城でも設計監理をしています。中でも、大工さんの家の設計は、大工さんが仕事の合間に自身で作っているので、かれこれ8年くらい携わっているのだとか!
素材の特徴に合わせつつ、お施主さんと一緒に造り上げていくのが、清水さんのスタイルなんですね。
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記事を書いた人:
赤井 恒平
飯能生まれ。AKAI FactoryやBookmarkを手がけた、飯能リノベーションの第一人者。地域や人をつなぐ「橋をかける仕事」をしています。
- 飯能市キーマン
- AKAI Factory 代表
- 埼玉県「まちなかリノベ賞」最優秀賞(R2年度)
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