あそぶ

ライター:かわい まゆみ

2026.10.25

まるでジブリの世界! 苔の絶景が広がる秘境「ウノタワ」

まるでジブリの世界!
苔の絶景が広がる秘境「ウノタワ」

秋の訪れを感じる今日この頃。いよいよ秋の行楽シーズン到来で、紅葉登山やハイキングの楽しい季節がやってきました。

そんな登山好きや絶景好きに送る今回のスポットは、知る人ぞ知る奥武蔵の秘境「ウノタワ」。そして、全国の苔の名所を渡り歩いた私も知らなかった、飯能の苔の絶景もご紹介します。

まずは、今回のトレッキングコースをご紹介。

©一般社団法人 奥むさし飯能観光協会「飯能お出かけMAP」より抜粋

今回利用したコースは、名郷発着、白岩林道・鳥首峠経由の「大持山・ウノタワコース」。往復約12kmで所要時間6~7時間、標高差約960mとなっています。

  • ウノタワや苔場への最短ルートとなる横倉林道は、2026年10月現在も土砂崩れの影響で通行止め
  • 飯能の山にも熊は生息しています。熊鈴などクマよけの対策を

飯能市内から車でおよそ30分、まずはスタート地点となる名郷バス停前へ。

今回は車のため、名郷有料駐車場にて駐車。まずは、隣接する公衆トイレ脇の登山届ポストにて登山届を提出します。

ここで強くおすすめしたいのが、登山アプリなどのオフラインマップのダウンロード。山の中はスマホ圏外が多く、道迷いしやすいポイントも多かったため、遭難リスクを避けるうえでもマストアイテムです。

駐車場から登山口までは入間川に沿って名郷の集落を抜け、大鳩園のキャンプ場の舗装された道路を3kmほど歩きます。

途中、道沿いを流れる入間川(旧 名栗川)の美しさにひどく感動してしまいました。恥ずかしながら、これほど美しい川が埼玉に存在していたとは……このとき初めて知りました。

マイナスイオンたっぷりの森林浴を体験できただけでも得をした気分です。

舗装道路の終了地点に到着。通行止めのバリケードの先は、旧JFEミネラル武蔵野鉱業所で現在は閉鎖された鉱山跡地です。

一見行き止まりのように見えますが、赤丸で示した方角に登山用の階段が続いています。ここからいよいよ山道に入ります。

しばらく歩くと、廃村となったかつての白岩集落に差しかかります。

白岩集落とはかつて炭鉱で栄えた集落で、1995年以降に廃村となり、現在では廃墟マニアの間で有名なスポットになっています。

朽ちかけた家屋にそのまま放置された家財道具や家電、苔むした消火栓に小さな祠など、まるで時が止まったような風景が広がっています。

時折現れる、山肌から染み出た湧き水や滝、そして沢を渡る箇所もあります。雨が降った後は増水に要注意ですね。

飯能が主産地の西川材となる杉の木立。まっすぐに伸びた杉の木が実に清々しいですが、曇りがちだった天気がいよいよ小雨もちらつき、霧まで立ち込めてきました。

スタートしてから1時間40分ほどで、ウノタワへの分岐点となる標高953mの鳥首峠(とりくびとうげ)に到着しました。

ちなみに鳥首峠という名称は、この山の稜線のかたちが鳥に似ていて、峠付近がちょうど鳥の首にあたるからとする説と、昔名栗の落ち武者がここで首を取られたからといったオカルトな説も残されています。

峠には山神様を祀った小さな祠があり、道中の安全を祈願して、盃のお水を取り替えてお参りしました。

すると驚いたことに、あれだけ濃かった霧が次第に晴れて、何なら青い空まで現れてきました。

偶然なのか山神様の霊験か…いずれにしてもありがたいことです。

鳥首峠から歩くこと約40分。マップ上では天神山(標高1,130m)の山頂に差しかかっているはずですが、なだらかな山林が続くだけで山頂を示すものがどこにも見当たりません。

よく見ると、中央付近の枯れ木の上に小さく「天神山」の標識を発見。これはなかなかトラップ感があります。

そしてその上には、誰が置いたか、まっくろくろすけを描いた黒い小石が置かれていました。

天神山山頂からはひたすら下りでおよそ30分、杉木立の間からぼんやり光る空間が見え隠れしたと思ったら秘境ウノタワに到着です。

標高1,070mの山中に、ポカッと開かれた苔のじゅうたんウノタワ。

ウノタワの伝説を記した案内板によると、かつてこの地は大きな沼で山神様の化身・鵜(う)が棲みついていたものの、猟師があやまって撃ち殺してしまい、鵜もろとも沼は消滅、そのため「鵜の田」がなまって現在の「ウノタワ」になった、とのこと。

光り輝くふかふかの苔のじゅうたんを見ると、そんな伝説もあながちホントに思える、それほど神秘的な空間でした。秋には紅葉に包まれ、また違った表情が楽しめそうです。

さて、ウノタワを堪能した後は、次なる目的地の苔の絶景「苔場」。

しかし苔場に関する細かい情報を入手しておらず、あちこち探し回っても見つからず、いよいよ諦めかけたそのとき、ふと見上げた先にこんな案内標識が。

「迷ったら水を飲んでおちつくこと!」

そこで水を飲んで冷静になり、改めてなけなしの電波(この周辺はほぼ圏外)で調べると、現在通行止めとなっている横倉林道方面に15分ほど下るとのこと。

ようやく手がかりを得て、それらしきルートをたどってようやく標識を発見。「山中林道」や「名郷バス停」方面というのが目安のようです。

横倉林道が通行止めになってからコースが寂れてしまったのか、ほぼ道なき道の急斜面をひたすら下っていきます。落ち葉などで滑りやすいので足元には十分注意しましょう。

15分ほど下ると、突然、視線の先に山肌を縫うように広がる緑のじゅうたんが出現。

想像以上の苔の絶景に、しばし言葉を失い立ち尽くしました。

個人的には、屋久島の白谷雲水峡や長野の白駒池を観たときと同じ感動。地元・埼玉にこんな苔の名所があったとは……まさに「目からうろこで」「灯台下暗し」です。

しかし、美しさに浸っていられないほどの蚊や虫の猛攻撃にあい、15分ほどで泣く泣く退散。

ここから先は横倉林道の通行止めのため、ピストンで引き返すのですが、これが一筋縄ではいかない。

とにかく、道が急斜面で滑りやすく、目印のピンクテープを見失いやすく、苔場に来たときよりだいぶ時間をかけてウノタワまで戻りました。

ウノタワ経由で天神山まで引き返せば、あとはひたすら下り坂の下山です。天神山、鳥首峠、白岩集落を通過し、入間川の渓流にある大鳩園キャンプ場に戻ってきました。

頑張った自分へのご褒美として、売店でアイスを購入。川向こうでは、気持ちよさそうにテントサウナを楽しむグループでにぎわっていました。

午後15時過ぎ、無事、駐車場に戻ってきました。

名郷有料駐車場はふだん無人で、車を離れている間に、管理事務所である大鳩園の巡回スタッフが車両のフロントガラスに料金袋をはさんでいきます。

そのため、料金を袋に入れて、所定の料金箱へ投函し、支払い完了です。

もしくは、アイスを購入した大鳩園キャンプ場の売店で直接支払うことも可能とのこと。その際にはレジスタッフに車のナンバーを伝えましょう。

埼玉の隠れた苔の秘境、いかがでしたか? ぜひ美しい苔と紅葉を堪能しに、この秋、ウノタワコースを訪れてみてはいかがでしょうか。

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記事を書いた人:
かわい まゆみ

世界90か国以上、全国47都道府県制覇、絶景・秘境が大好きな、世界を股にかける絶景ハンターです。

これからは飯能の絶景や魅力を深堀して、飯能のポテンシャルを広く伝えていきます。

  • 絶景フォトライター・トラベルライター
  • インフルエンサー
  • ひとり旅・ひとり登山愛好家

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