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「鍼灸院」と聞くと、肩がこったり、腰が痛かったりするときに駆け込む場所、というイメージを持つ人も多いかもしれません。
「Hub+(ハブプラス)はり灸院」が大切にするのは、痛みという症状の先にある、その人自身を知ることです。
体の不調をきっかけに、生活や考え方、そして生き方までを含めて整えることを目指す、鍼灸師の正木和歌枝さんにお話を伺いました。

東洋医学を基とする鍼灸治療。特に印象的だったのは、症状にアプローチする際の基本姿勢「心と体はつながっている」という心身一如の考え方でした。

東洋医学では、自律神経や睡眠、胃腸、免疫そしてホルモンバランスなど、体の機能がつながり合いながら影響していると捉えています。

たとえば、ストレスが続くと胃腸の調子を崩し、眠りが浅くなることがあります。
眠れない状態が続けば疲れが抜けにくくなり、心や体のバランスも乱れていく。このように、一つの不調が別の不調へとつながっていく、という考え方です。
心が体に及ぼす影響の大きさを重視するからこそ、Hub+はり灸院では「痛い場所だけ」を治療するのではなく、身体と心のバランスを診ることを大切にしています。
「今いちばん辛い症状は何ですか?」
施術前の問診では、時間をかけて生活の様子やこれまでの通院の過程などをヒアリングします。

腰が痛いのなら「いつから痛いのか」「どんなときに辛くなるのか」「病院の診断はどのような内容だったのか」。さらに、姿勢や体の動きなども診ながら、訪れた方の状態を立体的に整理します。

正木さんとの会話をきっかけに、自分自身が思いもしなかった考え方の「クセ」に気がつく方もいます。
「知らないうちに我慢を重ねてしまう人は、ずっと体に力が入ってることが多いんです」
更年期の不調が強い人や、電車に乗るだけでお腹が痛くなる人、学校に行けない人、眠れなくなってしまう人など、性別や年代を問わず、体の緊張が症状として現れているケースも少なくありません。

体が楽になることで「本当はこれが嫌だった」「実はこうしたかった」という気持ちに気がつき、自分らしい選択ができるようになることもあるそうです。
自分の取扱説明書を知っていくことが、不調を避けるための手がかりになる。正木さんは、回復までの道のりの伴走者となるべく、症状に寄り添います。

私も初めての鍼治療を体験。初心者におすすめの「頭皮鍼施術コース」を選びました。
実際に使う鍼は髪の毛ほどの細さで、想像していたような痛みはありません。頭だけでなく、手足や首まわりにも鍼を打ち、脳だけでなく全身の血流を整えていきます。
お腹や目、耳をじんわりと温めてもらいながらの施術は本当に心地よく「終わりましたよ」の声を聞いても、起き上がりたくないほどのリラックス感でした。

正木さんの施術スタイルは、自身の経験に裏付けされています。研修を積んだ埼玉医科大学では、重症例の施術や厳しい問診指導をくぐり抜けてきました。
全国から集まる研修生とともに学ぶうちに、たくさんの患者さんと相対しながら、施術だけではなく「人を診ること」を徹底的に学ぶことができたと話します。

また、自身もストレスで胃腸を崩しやすかった時期があり、恩師のような存在の漢方医とのやりとりを通して「心を体はつながっている」という感覚を深く実感しました。
そのときの経験もまた、施術の土台になっています。
正木さんが心がけていること、それは訪れる人がいつでも安心して本音を話せる場所をつくることです。
「人は、心から安心できる場所じゃないと回復できないと思うんです」

「Hub」には、人が集まり、つながる拠点という意味があります。鍼灸は、中高年だけでなく、思春期の高校生や、子育てに忙しい方など、年代を問わず受けられる治療です。
どのような悩みを抱えていても、その人の背景ごと受け止めながら、安心して体を預けてもらえる場所でありたい。
正木さんは、そんな想いを大切にしながら一人ひとりの治療にあたっています。
写真:赤井恒平
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