度重なる緊急事態宣言で思うよう…
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くらし
1950年の開業以来、70年ものあいだ飯能を見守り続けてきた「月光堂カメラ店」は、携帯電話のカメラが全盛のこの時代でも来店者が後をたたない人気店です。その魅力を探るべく、三代目の細田智之さんにお話を伺いました。
「うちはまだまだフィルムを現像しにいらっしゃる方が多いです。もちろんデジタルデータのプリントもいらっしゃいます」
確かに携帯で撮って保存しておくのもいいけれど、枚数が多くなるとなかなか見返すことが難しくなってきます。プリントしてアルバムにしまう、物として残しておけば、ふとアルバムが目に入った時に思い出を楽しむことができたり、子どもが大きくなった時に記憶を辿ることができますね。
また、最近は若い人たちの間でインスタントカメラが流行っているのだとか。20〜30枚しか撮れない(初めて使った人の中には「フィルム入れ替えてください」と持ってくる方もいるそうです)、その場で確認できないというアナログなところが新鮮なのかもしれません。
取材をしていると、一人の若いお客さんがフィルムカメラを持って来店されました。おそらく親御さんから受け継いだカメラなのでしょう。お店の方はそのカメラを見て、使い方を丁寧に説明していました。そういったサービスも歴史ある写真屋さんならではですね。
七五三に成人式、そしてお祭りを写真に
月光堂さんでは現像プリントの他に、成人式や七五三などの記念撮影や幼稚園への出張撮影も行なっています。撮影した写真を見て喜んでもらえたり、それをきっかけにまたお店に寄ってもらえたりするのがこの仕事の楽しいところなのだそうです。他にもハロウィンに手づくりフォトフレームをつくるワークショップを開催したり、地域の人たちが「写真」を通して楽しめる活動をされています。
そして、細田さんと切っても切れないのが飯能まつり。てっきり写真が撮れるからお祭りを撮影しているのかと思っていたのですが「お祭りが大好きすぎて、写真に残したい」という想いが先にあって、カメラを学んだのだそうです。そんなお祭り愛にあふれる細田さんが撮る写真は躍動感があり、その場の熱気まで伝わってきます。
月光堂カメラ店は、人生の節目の思い出だけではなく、お祭りという街の記憶も残している写真館なのです。
まちをちょっと面白くする活動も
飯能のご当地アイテムとして密かな人気を集めている「RICE BRAIN Tシャツ」「RICE BRAINパーカー」。飯=RICE、能=BRAINとしてオリジナルグッズをつくったのも細田さんです。飯能を盛り上げたい、と思っている若者たち必須のアイテム。『はんのーと』副編集長、徳永ディレクターも愛用しています。これは飯能市のふるさと納税の返礼品になる日も近いかもしれませんね。
他にも登山に訪れた方が道に迷わないよう店先に標識をつくったり、来飯者に優しい活動もしている細田さん。将来の夢は店の一角で駄菓子屋をやることだそうです。街の過去を残すだけではなく、未来を創ろうとする様々な活動をみなさんもぜひ応援してくださいね!
関連情報
- 店名
- 月光堂カメラ店
- 所在地
- 飯能市八幡町1-1
- TEL
- 042-972-2694
- 042-972-2694
- 営業時間
- 9:00〜20:00
- 定休日
- 日曜日
- @photo_gekkodo
アクセス
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記事を書いた人:
赤井 恒平
飯能生まれ。AKAI FactoryやBookmarkを手がけた、飯能リノベーションの第一人者。地域や人をつなぐ「橋をかける仕事」をしています。
- 飯能市キーマン
- AKAI Factory 代表
- 埼玉県「まちなかリノベ賞」最優秀賞(R2年度)
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