たべる

ライター:赤井 恒平

2024.08.27

山の一軒家カフェでいただく、極上のデザート「てまりか菓子店」

山の一軒家カフェでいただく、
極上のデザート「てまりか菓子店」

山々に囲まれた名栗にできた、小さなお菓子屋さん「てまりか菓子店」は、イートインもテイクアウトもできるお店です。

扉を開けると目に飛び込んでくるのは、カウンターに並んでいる生ケーキや焼き菓子。

そのかわいらしい姿に心を奪われてしまいますが、ここはグッと我慢。なんといっても、こちらのおすすめは店内でしか食べられない季節のデザートなのですから!

5月頃ならメロンと新茶、初夏には桃、秋にはキャラメルと、その時期の一番美味しい食材を使った特別なパフェを楽しむことができるのです。

写真は桃のパフェ。さっぱりとした旬のフルーツと濃厚なアイスクリームが混ざり合う、見た目も涼しげな一品は、店内でしか味わうことができません。

もちろん生ケーキや焼き菓子もおすすめです。

特徴は優しい食感で、たとえばクッキーは一見厚みがあって食べ応えがありそうですが、口に入れるとホロリと解けて甘味と香りが広がります。

また、ケーキの生クリームはツノが立ち過ぎないようにつくり、スポンジもふんわりと柔らかく仕上げているので、口あたり抜群です。

「お持ち帰りのときに崩れてしまわないか心配なんですけど、やっぱり美味しさを優先したいので」とこだわりのケーキ。テイクアウトの際は、ゆっくり安全運転で帰りましょう。

豊かな環境を求めて世田谷から移転

店主の瀬野尾亜美さんは、お菓子一筋の人。お菓子づくりが得意だったお母さんの影響で、小学3年生のときにはレシピを見ながらクッキーを焼いていたのだとか。

高校を出て大阪の専門学校でお菓子づくりを学び、東京のパティスリーに就職。

レストランでデザートを担当したときに、イートインでしか表現できないスイーツの可能性に気づき、お店を持つときには必ずイートインスペースをつくろうと決めたのだそうです。

そして、20代半ばで世田谷に自身の店「aminchi」をオープン。競争の激しい都内で「aminchi」を8年経営したあと、子育てと仕事の両立を考えて移住を決めました。

「店舗付き住宅を建てたかったんです。やっぱり木の家がいいなって思って、いろいろ探していたら飯能にたどり着きました。お店は来てくださった方々の心が晴れるような場所になればいいなと」

日当たりのよい大きな窓。視界いっぱいに広がる自然。そして、ほのかに漂う木の香り。そこに亜美さんが選んだインテリアが加わり、てまりか菓子店の居心地ができあがっているのです。

取材中、午後の早い時間からお客さんが来始めて、あっという間に満席に。みなさん、店内でゆっくりデザートを楽しみ、帰りがけにケーキをテイクアウトします。

「素敵!この食器はどこで買えるの?」という会話が聞こえてきたり、みなさん味にもセンスにも魅了されているようです。

子育て世代は、みんな家族のよう

東京23区の世田谷から突然山の中へ移住して、大変でははなかったのでしょうか? 移住して感じたことを聞いてみました。

「自然が豊かな場所に引っ越したかったのですが、夫は都内で仕事があるので、東京に通えることが必須条件でした。名栗はぎりぎりその条件を満たしていたんです。生活の面では車で少し行けば街もあるし、不便はないですね。市の子育て支援も都内と遜色なかったです」と亜美さん。

さらに地域のみなさんとのつながりについてもお話いただきました。

「名栗は移住者歓迎のムードがありますね。地域のおじいちゃんやおばあちゃんが、子どものためにお月見イベントをしてくれたり、餅つきを開催してくれたりするんです。同世代の子育て世代もすぐ顔見知りになるし、みんな家族のようです」

ここ最近は、亜美さんのように名栗へ移住してお店を開く人も増えてきました。

子育て、仕事、夢、自然もある飯能は、これら全てを満足させることができる可能性を秘めているのかもしれませんね。

関連情報

店名
てまりか菓子店
所在地
飯能市下名栗1164-2
TEL
042-978-5235
042-978-5235
営業時間
水曜・木曜(祝日はお休み)
11:00〜16:00
駐車場
5台
Instagram
@temarika.kashiten

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記事を書いた人:
赤井 恒平

飯能生まれ。AKAI FactoryやBookmarkを手がけた、飯能リノベーションの第一人者。地域や人をつなぐ「橋をかける仕事」をしています。

  • 飯能市キーマン
  • AKAI Factory 代表
  • 埼玉県「まちなかリノベ賞」最優秀賞(R2年度)

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