たべる

飯能市下川崎にある小さなケーキ屋さん「La Poche（ラ ポッシェ）」。2013年7月にオープンし、今年で11年目を迎えました。

「シンプルで、すこし新しいものを取り入れたケーキをつくりたい」と話すのは、オーナーでパティシエの吉田恵里さん。

太陽のような明るさと、モデルさんのようなお顔立ちに思わず引き込まれました。

ショーウィンドウには色鮮やかなケーキ、ていねいにつくられた焼き菓子、ふわふわのシフォンケーキが並びます。

取材の日は、チーズの入ったケーキがいくつか並んでいました。

そのうちの一つ、ベイクドチーズケーキを食べてびっくり！ 甘すぎることなく、全く飽きのこない塩気のあるチーズケーキは、ライター飯塚が今まで食べたチーズケーキで一番！と感動しました。

買いにいらしたお客さんにお話を伺うと「La Pocheのケーキは美味しいだけでなく、センスがあって好き」とにっこり。

そんなケーキは店頭のみだけでなく、飯能市内のいくつかのお店で食べることができます。

美食工房レストランHAMA本店（赤沢）と、2nd kitchen hama（山手町）では、デザートメニューにケーキが登場。

また、蔵カフェ草風庵（山手町）にはプリンがあります（La Pocheのフルーツは草風庵からお取り寄せ）。

おとなり日高市では、カフェ・ビスケット（高麗川）にもケーキがあるので、お近くへお越しの際はぜひご堪能ください。

吉田さんは今後、委託販売にチャレンジしたいそうです。

「これまでも、病院や施設でスイーツを販売して喜んでもらうこともありました。たくさんの方に食べてもらいたいので、気になった方はご連絡いただけたらうれしいです」

「La Pocheのスイーツをぜひ！」という企業や施設があれば、お声がけくださいとのこと。

夢はケーキ屋さんになること

吉田さんの夢は、小さい頃からケーキ屋さんでした。

小学生のときに使っていた下敷きに、かわいいケーキ屋さんのイラストが描いてあり、ときめいてしまったそうです。

「中学、高校もケーキ屋さんに憧れていました。でも製菓学校には行かず、短大へ行って栄養士になりました。レストランで働いたり、休みの日はお菓子教室に通うなど、大人になってもつくることが大好きだったんです」

かつて生活の木メディカルハーブガーデン薬草香園（美杉台）の「レストランヤハラテナ」で10年近く働き、レシピからデザートを任されていたことも。

そのときに経験したお店づくりの大変さや楽しさ、食品ロスで胸を痛めた経験が今でも活きています。

吉田さんの宝物を見せてもらいました。それは学生時代に書いたオリジナルレシピ。

広げられたレシピはとても年季が入っていましたが、スイーツへの愛情と真剣さが伝わって、どんなときも真摯に向き合い続けてきたことがわかります。

「クッキーの配合は昔から同じ。今もお店には私が『絶対美味しい』と思うスイーツしかつくっていません。レシピはボロボロになってしまったけど、これはとても大切なもの。近いうちにまとめようかなと思っています」

これからもお店を続けたい

長年の夢を諦めきれず、家を建てた際に思い切ってお店をオープンした吉田さん。店内には軽快なBGMが流れ、吉田さんの雰囲気に合っているなと感じました。

ほかにも知り合いがつくった雑貨やコーヒーも販売。気に入ったものがあれば、吉田さん自ら「置いてみない？」と声をかけるそうです。

「私の中でケーキと言えば、特別な日に食べるもの。でも、お客さんは記念日でもない、ふつうの日に『食べたくなったから』と言って買いに来てくださったり、自分へのご褒美に、とお店に寄ってくださるのが何よりうれしいです」

ケーキが日常のスイーツなんて、とても贅沢ですが、たまにはいいですよね。

現在、クリスマス前の試作品づくりのまっただ中。今年のホリデーシーズンも、たくさんのお客さんが笑顔になることでしょう。

「これからもお店を続けていきたい」と話す吉田さんの笑顔は格別。センスのよさが光る、心のこもったケーキをぜひご賞味あれ。