9月初旬、飯能市農業振興課の方…
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たべる


飯能市芦苅場にある大きな建物(ここでは、まだあえて「大きな建物」とします)、株式会社大平きのこ研究所を紹介します。

今回の取材のきっかけは、スーパーでの奥さま方の会話からでした。「黒舞茸知ってる? これめっちゃ美味しいのよ!」なんですと! さっそくお買い上げです。
そして、本当でした。それからはもう虜です。美味しさの秘密をぜひみなさんにお伝えしたい! では、参りましょう〜。
きのこ研究所…大きな建物は工場ではないの?
明るい笑顔が印象的な大平(おおだいら)洋一さん。

「きのこ研究所とは面白いですけど、なぜ研究所なのでしょうか?」
「研究所にしたのは、どんどん新しいものをつくっていきたいし、茸は常に管理が必要ですからね。茸のこと、毎日毎日いろいろ考えてるんですよ笑」
なるほど、常に研究して進化していきたい姿勢から、あえて研究所に。納得です。そして、新潟から飯能へ研究所を増設したのはなぜなのでしょう?
「最初の開設地、新潟の南魚沼市の研究所で黒舞茸の生産が軌道に乗って、もっと全国的にこの黒舞茸を知ってもらうには、舞茸の消費量が多い関東エリアがいいのではと。そこで候補地を検討する中で、わざわざ新潟の研究所まできて、一番熱心に対応してくれたのが飯能市の方々でした。飯能、いいですよね〜、この研究所の場所もいいでしょう」
確かに緑に囲まれて、空気も澄んで気持ちのよい場所です。飯能を選んでいただき、ありがとうございます。
黒舞茸『真』は、本物を追求する想い
大平きのこ研究所では、黒舞茸『真』を生産しています。

天然舞茸は、色の違いでシロフ、トラフ、クロフの三種に分かれます。香り、旨みが最も高いのがクロフですが、天然クロフは栽培が難しい。
香り、旨みに優れるこの素晴らしい舞茸を世界中に届けたい、そんな想いから研究を重ねてたどり着いたのが、黒舞茸『真』。その作業工程を見学させていただきました。
エアーでしっかり菌をとり除きます。

国産広葉樹のオガとフスマなど、独自のブレンドでつくられた菌床。

殺菌処理をしたあとは、夏の部屋と秋の部屋と呼ばれる温度、湿度が管理されている広いブースで培養期間に入ります。

夏の部屋で80日間の長期熟成培養(通常は50日程度)を経て、秋の部屋で適度な温度ストレスを与えることで、本物に近い極めて香り高い、旨味のある『真』ができるのです。長年の研究の賜物ですね。
全て機械任せにするのではなく、人の眼で確認し管理することも、とても大切なプロセスとのこと。

美しいビロードのような黒舞茸に成長。

そして、いよいよ出荷に向けてパッキング作業です。

個々に形状の違う黒舞茸のパッキングは、機械では難しいのです。決まった重さに瞬時にカットできるのは職人技です。みなさん、早い、早い!
茸士(きのこし)大平洋一さんは、
きのこと対話するー茸士の育成
常にいいものを届けたいと研究を重ねる大平さんには、もっと「茸士」を育てていきたいという想いがあります。

大平さんが掲げる「茸士」とは、温度・湿度・CO2・光の調整をし、茸が成長していく些細な部分を見逃さず、最終的に茸と会話ができる人のことです。
「繊細な工程や茸の状態を見極められるまでには時間がかかるし、季節によって作業員が変わったりすることもあります。そうなるとまたゼロから伝えていかないといけなくなります。育成、そこが農業の難しいところですね」
茸と対話する職人=茸士の育成にも、研究が必要なんですね。
もっともっと伝えたい
「地元の方々に知ってもらうために、飯能の駅前で黒舞茸をお配りしたこともありましたよ」と地道な活動もしてこられた大平さん。
今後の展望を伺っているなかで「飯能市とイベントなどを通じて、何かコラボができたらいいですね。地元の方々に直接お伝えできるし、食べていただくことが一番ですしね」と大平さん。前向きな熱い想いが伝わってきます。
「黒舞茸は普通の舞茸より黒いので、天ぷらにすると際立つんです」

おすすめ料理、季節のレシピが掲載されているので、ホームページやインスタグラムをチェックしてみてくださいね。
黒舞茸『真』を使った料理を提供している店舗には、のぼりや看板が立っていますので、見かけたらぜひ立ち寄ってみてください。きっと『真』の虜になりますよ。
大平さんが続けている黒舞茸『真』の研究。続けていくことで、お客さんの笑顔につながり、その笑顔がまた他の人を笑顔に、そして大平きのこ研究所のスタッフ、大平さんに戻ってくる。
そんな幸せのループがあるように感じました。

写真提供:(株)大平きのこ研究所
「大平きのこ研究所」お名前の通り、研究所でした!
写真:赤井恒平
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