昭和レトロな飯能銀座商店街には…
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たべる
飯能でデパートといえば「まるひろ」。喫茶モナミは、まるひろの7階にあり、市民の憩いの場としてランチやカフェが楽しめます。
そんな喫茶モナミで働くスタッフは、NPO法人あおーらの職員さんと障がいのある利用者さんたち。
カレーハウスの運営を基盤に
喫茶モナミは、2011年7月オープン、今年で12年目を迎えます。
実はNPO法人あおーらでは以前、飯能市役所の近辺で「カレーハウスあおーら」を営業していました。
当時はカレーの味で勝負したいと運営していましたが、中には福祉事業が行っているとわかった瞬間、心無い言葉を投げかけるお客もいたとのこと。
代表理事の志村栄子さん(写真前列中央)は「障がいの偏見はいまだにあるけど、ビクビクする必要はない。私たちはみんな、市民の一人なのだから堂々としていようと利用者さんたちに伝えていました」と当時を振り返ります。
その後、飯能市障害者就労支援の一環とした委託事業の話が舞い込んで来ました。それが現在の喫茶モナミです。
話し合った末、7年続けてきたカレーハウスあおーらを閉店。東飯能駅と併設され、買いもの客が多いデパートでの挑戦に不安はあったものの「喫茶モナミでがんばろう!」と前向きにチャンレンジすることに。
メニューにはオムライスやピザトーストなど、親しみのあるランチメニューもあります。カレーハウスあおーらでつくっていた2種類のカレーも。
「カレーハウスを閉めるとき『あのカレーはもう食べられないの?』と聞いてくださった、やさしいお客さんもいたので、メニューに残しました」とほほえむ志村さん。
ライター飯塚は志村さんとランチをしながら、今回初めておうちカレーをいただきました。
カレーを食べて、特に気に入ったのがじゃがいも!フライの食感と、中はペーストできるほどのやわらかさが、芋好きにはたまらなかったです。
聞くところによると、じゃがいもは他の具材とは別に調理をされているそうで、見た目以上に手間がかかっています。リピートしたくなるカレーでした。
利用者さんは接客がメインですが、日によっては仕込みや野菜を切ることもあるんだそうです。
他にもこれからの季節にピッタリな塩麹アイスやフロートのデザート、ケーキ類も人気で、こちらは飯能市中山にある菓子工房あおーらでつくった手づくり菓子を販売しています。
いろいろな人がいることを知ってほしい
喫茶モナミは、利用者さんが接客を通して社会とつながるための場であり、また市民のみなさんに多様な人(障がい・病気)がいることを知って理解を深めてもらいたいという想いがあります。
最後に喫茶モナミの由来を聞くと、オープン時に利用者さんたちから応募をして付けた店名だとのこと。フランス語で、mon amieと書いて「モナミ」。monは「わたしの」、amieは「友だち」。
ランチをして帰る頃には、スタッフもお客さんも仲よくなっているかもしれません。障がいのあるなし関係なく、みんなお互いに支え合う「わたしの友だち」なのです。
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記事を書いた人:
飯塚 まりな
イラストレーター兼ライター(主に人物取材を好む)。最近は愛車で過ごす車中ランチが生活の一部。夢は発展途上国で医療や教育に関わる日本人の取材。
2021年に働く30代男女の仕事や生活についてインタビューした『〜西武沿線上で探した〜近所の30代「今」何してる?』を全国の天狼院書店発売(2022年1月まで)。
- 『ちいき新聞』レポーター(2020年〜)
- 『ショッパー』レポーター(2019年〜)
- 介護福祉士
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