飯能の奥座敷とよばれる原市場地…
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飯能に移住して6年。「農のある暮らし飯能住まい」でもおなじみ、遠藤さんご夫妻がドッグカフェをオープンしました。その名も「ワンコカフェ&BBQ ジビエールカフェ」
ご主人の遠藤拓耶さんが店長をつとめ、オーナーである奥様と一緒に切り盛りしています。オープンは今年3月。場所はお店から川まで5秒!という自然豊かな原市場地区です。
ドッグカフェやドッグランなど、犬連れで楽しめる場所は各地で増えていますが、ジビエールカフェは愛犬家にとってありがたいコンテンツが充実しています。
ワンコファーストのお店づくり
お店に入ってまず気がつくのは、店内が広々としていること。
大型犬連れでも安心して入れるように席に余裕を持たせ、テーブル下には大きめのケージも用意されています。
またお店の1/3をワンコのプレイスペースに。飼い主さんが食事中、ワンコたちの居場所として利用できます。
夫妻と一緒にカフェへ出勤してくる遠藤家の一員、ゴールデン・レトリバーのエールくんの定位置でもあります。
飯能市で有害鳥獣問題に取り組む「飯能ジビエールプロジェクト」を発足し、活動中の遠藤夫妻。
これまで「飯能ジビエール加工所」として拓耶さんが捕獲、加工した飯能産鹿肉をワンコ向けおやつジビエに製造販売してきました。
お店をつくるにあたって、おやつジビエのユーザーさんやイベントなどで知り合ったワンコ事業者の方に声をかけてお手伝いに来てもらったそう。
一緒に楽しくDIYをしながら、愛着を持てるようなお店にしたかったと拓耶さんは言います。
「みなさんに話を聞いて『こんなのあったらいいよね』と言われたら『わかりました!』と(笑)。言われたものは全て具現化するスタンスでやりました」と拓耶さん。
とことんユーザー目線にこだわったお店づくり。ワンコと一緒に遊びに来てもらえるお店として、かゆいところに手が届くようになっています。
徒歩5秒のプライベートリバーでBBQ!
さらにジビエールカフェの目玉のひとつが、お店の地下にある貸切BBQサイト。日本BBQ協会認定の上級BBQインストラクターの資格を持つ拓耶さん。
昨年から市内で出張BBQをしていましたが、川遊びが大好きなワンコたちと飼い主さんからの依頼を受ける中で気になることもあったとか。
「大型犬が何頭もいると、共用の河原ではやっぱり気を使うんです。小さなお子さんもいたりするので。なので、もっとプライベート感があるところでやりたいなと思っていました」
お店からしか降りられない河原スペースがあるこの場所とは、まさに運命的な出会い。
カフェの利用者しかいないプライベートリバーのため、周りを気にせずに安心して思う存分川で遊べ、BBQを楽しむ間ワンコたちは隣のドッグスペースで遊べます。
拓耶さんが自慢の創作BBQを食べさせてくれる「PRIME WAN BBQプラン」をお願いすれば、特別な時間を満喫できることうけあいです。
BBQのプロがつくる、ここでしか味わえないメニュー
カフェメニューにも調理担当の拓耶さんのこだわりが。取材の日は「てんちょーのきまぐれカレー」と「チャンピオンのスモーキーサバサンド」をいただきました。
炭をおこして毎朝アメリカングリルで焼くという「タンドリーチキン」がトッピングされてるとあって、チキンの香ばしさとカレーとのハーモニーがたまらない逸品です。
サバサンドは、拓耶さんが国内最大級のキャンプイベントの「ホットサンドコンテスト」で優勝したというレシピをカフェ風にアレンジしたもの。さすがチャンピオン、納得の味わい深さです。
ワンコ向けには、飯能の鹿肉を使ったオリジナルのワンコメニューがあります。
取材後に見たエールくんの食べっぷりときたら、どれほどおいしいのかが想像できました。
提供するコーヒーには、豆に付着した様々な汚れを丁寧に洗い落とし、よい豆だけを選別しているアームズ珈琲®︎を採用したそう。
まだ実店舗で飲めるところも少なく、コーヒー豆だけの本来の風味を、すっきり優しい味わいで楽しめます。
おいしくて安全安心なコーヒーを飲んでもらいたい、という想いが伝わるコーヒーです。
ワンコカフェは、ワンコ連れじゃないと入れない?
ワンコファーストのお店、ビジエールカフェですが、もう一つ拓耶さんが大切にしていることがあります。
それが「地元の人にも気軽に利用してほしい」という想いです。「なので、ワンコ連れだけじゃなく、うちは誰でもオッケーです」と拓耶さん。
「唯一の条件は犬が嫌いじゃないこと(笑)ワンコファーストのお店というところをご理解していただければ」
昔飼っていたけど今は年齢的に難しい…など、犬好きの地域のお年寄りの方が、お客さんのワンコやエールくんと会えるという理由で遊びに来ることも。
「ワンちゃんが飼いたいけど、飼っていない人が食事がてら来られれば、アニマルセラピーのような効果もあるかなと思っています」
チャレンジの場所としても活用してほしい
何かを始めよう!と思ったとき、やりたくても場所がない。そんな拓耶さんの経験から、ジビエールカフェの厨房は「シェアキッチン」としても利用することができます。
キッチンカーや実店舗を出す前、副業としてなど、まずは誰かに料理を食べてもらいたい方はぜひ、とのこと。「うちは子連れ、犬連れOKです!」という頼もしいお言葉もいただきました。
また、店内にあるフリースペース「IDOBATA(井戸端)ROOM」も貸し出しています。地元の人にコミュニティスペースとして使ってもらいたいと、ワークショップや地域の交流の場として利用できます。
命のつながり、人とのつながりを大切にすること
人にもワンコにもやさしいお店、ジビエールカフェ。「ご縁あって、いろいろな方に携わっていただいて、なんとか開店できました」と拓耶さんは言います。
猟師、ワンコのおやつ屋、喫茶店のマスターに加え、現在開設中の解体処理場での食肉加工。「もはや何者かわからないですね!」と笑う拓耶さん。
有害鳥獣問題を通して命の利活用に目を向け始まった遠藤夫妻の活動は誠実で、動物たちや地域の人への思いやりに満ちています。
ワナ猟の猟師として、生きたシカの捕獲から加工までを一貫して自分で行っている拓耶さんだからこそ知っている、命の重さ。
その命をつなげていくおやつジビエづくり、そしてワンコカフェ。
「飯能が好きになって、飯能の人にいろいろ面倒をみてもらって。地元が盛り上がる活動の一つとして自分のできることをやっていったらここに辿り着いた、という感覚ですね」
おいしいカフェごはんと、人にもワンコにも居心地のよい空間。ただのカフェではない、唯一無二の「ワンコカフェ&BBQ ジビエールカフェ」へぜひお出かけください。
写真:赤井恒平
関連情報
- 店名
- ワンコカフェ&BBQ ジビエールカフェ
- 所在地
- 飯能市原市場1036-1
- 営業日
- 月・木・金 10:30〜16:00
土・日 10:30〜17:00
火・水定休
- 駐車場
- あり
- @hanno_jibiyell_kakoujyo2021
- 関連HP
- ジビエール加工所
アクセス
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記事を書いた人:
清水 麻由
飯能周辺のイベントに出没しては、消しゴムはんこなどを彫る人。造形屋。自由人の夫&息子とゆるくて愉快な飯能ライフを送っています(飯能市内で広いおうち探してます)。
- アート・クラフト屋イワオカフェ
- くらしの修繕センター・イワオヤ
- ウッドターニング(木工旋盤)修行中
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