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書いた人:赤井 恒平

2021.11.16

「センパイ移住者のーと」#05 遠藤拓耶さんご一家

「センパイ移住者のーと」#05
遠藤拓耶さんご一家

アウトドアを満喫できる移住先を求めて

移住者レポートの第五弾は、飯能市人気の制度「農のある暮らし」を使って移住された遠藤さんご一家です。遠藤さんは2017年に神奈川県から移住。サラリーマンでありながら、休日は様々なチャレンジ続けるパワフルな方です。移住先に飯能を選んだ決め手は何だったのでしょう?

条件は、趣味のアウトドアが思いきり楽しめること、子どもの学校が遠すぎないこと、あまり街から離れ過ぎず駅へのアクセスもよいこと、でした。職場を中心に地図にコンパスで円を描き、日高、越生、小川町、鳩山、奥多摩などその範囲内をしらみつぶしに探していたのだそうです。なかなか理想の地が見つからないまま、4年が経過したある日、ふと目に入ったチラシが「農のある暮らし」でした。

「当時はこの制度が始まったばっかりで、場所も選び放題。駅から車で10〜15分程度ということで条件は完璧でした」と遠藤さん。

しかし、ある問題が。それは、今から家を建てると、長男が小学校に上がるタイミングに間に合わないということでした。転校はさせたくない。ならばもう住んでしまおう、ということで現地の下見をした1か月後には賃貸住宅に移住し、家づくりを進めていったのです。

南高麗での田舎暮らし

2018年に無事家が完成し新居へ移った遠藤さん。新天地で新しい生活を始めるにあたり、地域のコミュニティにうまく溶け込めるかどうかが不安だったそうです。でも、その心配は杞憂に終わりました。

「引っ越してきただけで近所の方々から褒められました。小さいコミュニティなのですぐ顔見知りになり、庭で野菜を育てていると通りかかった人が指導してくれたりもします。最近は、昔からここに住んでたんだろ、なんて言われるんですよ笑。神奈川に住んでいた頃はまわりに誰が住んでるか分からなかったのに」

コロナ禍でも遠藤家は新しい生活様式を満喫しました。リモートワークは庭にテントを張って自然を感じながら仕事をし、キャンプ場に行けないなら庭でキャンプ。プロジェクターを設置すればマイクロシアターが完成! 子どもたちも庭をかけ回ったりできるので、学校が休みでもストレスなく過ごせたのだそうです。そして、飯能での暮らしを満喫すればするほど、遠藤さんの中に「地域に恩返しがしたい」という気持ちがふくらんでいきました。

ジビエの活動に本格BBQ。次々生まれる事業プラン

地域とのつながりが広がって飯能のことを知るうちに、遠藤さんは「害獣駆除」という活動があることを知ります。それは動物による生活被害が出てしまった場合に動物を駆除するというもの。駆除した動物は焼却処分されているということも知りました。

命に関することなので様々な意見はあるけれど、遠藤さんは獲ったからには無駄にせず、命の循環の手伝いをしたいと考え、駆除された鹿をペットフードへ加工・販売する「飯能ジビエールプロジェクト」を立ち上げました。現在はさらに食用加工できるよう活動中なのだそうです。

遠藤さんのもう一つの顔は、BBQ上級インストラクター。夢は国際基準の正しいバーベキュー文化を広げ、飯能を本当のBBQのメッカにすることなのだそうです。そのために、出張型BBQシェフサービス「PRIME BBQ」を始める予定なのだとか。

「飯能に引っ越してから横のつながりがどんどん広がり、同時に自分のやりたいことも広がっていきます。夢を実現できる場所として、飯能は最高の場所ですね」と、笑顔で語ってくれた遠藤さん。これからの活動に注目です。

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記事を書いた人:
赤井 恒平

飯能生まれ。AKAI FactoryやBookmarkを手がけた、飯能リノベーションの第一人者。地域や人をつなぐ「橋をかける仕事」をしています。

  • 飯能市キーマン
  • AKAI Factory 代表
  • 埼玉県「まちなかリノベ賞」最優秀賞(R2年度)

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