まちづくり

ライター:かたおか 由衣

2024.10.06

空き物件を魅力的な拠点に!「飯能リノベLAB2024」Day1

空き物件を魅力的な拠点に!
「飯能リノベLAB2024」Day1

2022年に開催し、好評だった「飯能リノベLAB」の、第2弾が始まりました。

「自分たちの好きなまちは、自分たちで面白くしていく」という想いを持ったプレイヤーが集まって、空き物件を魅力的な拠点にしていくプロジェクトです。

全5回にわたるこのプログラム、実際に空いている物件の活用方法を考え、最終的にはプレゼンまで行います。

飯能に移住して1年半ほどになる、ライターかたおかが、参加しながらレポートをお届けします! 9月28日(土)に飯能商工会議所にて開催された、1回目の様子をお伝えします。

空き家は余白。可能性は無限大

まず、ファシリテーターの野田賀一さんによる、講義全体の紹介からスタート。野田さんは、都内で「場づくりコーディネーター」としてプロジェクトデザインと運営に関わる仕事をしています。

そのかたわら『はんのーと』を運営している、まちづくり会社Akinaiの一員として、飯能での活動にも力を入れています(野田さんの記事もご覧ください!)。

野田さんに加えて、プログラムのサポーター3名による自己紹介もあり、期待感が高まります。

続いて、野田さんから飯能をとりまく空き家の現状についてのお話がありました。

「空き家が多いと聞くと、悲観的に思う人もいるかもしれません。でもぼくは、空き家=余白だと思ってるんです。可能性は無限大です」

実際に飯能では空き家が増えているものの、売却したい人、貸し出したい人は多くいるそう。Akinaiが手がけた拠点をきっかけに相談も増加中。

今回のプログラムでも、実際に活用候補の物件があります。話し合いをするだけではなく、実際に物件をすることまで見据えているのが「飯能リノベLAB」の大きな特徴です。

個性的な参加者が集合!

参加者は定員いっぱいの16名が集まりました。一人ずつ自己紹介と「飯能でやってみたいこと」を発表。

飯能出身者、移住を考えている方、最近移住した方など、飯能との関わりはさまざま。「飯能に想いを寄せている」という共通点で集まったのは、どのようなメンバーなのでしょうか?

声優、キャンプメディア編集者、建築関係者、看護師、人力車を引いている方、今年出産して育休中の方、元SE、すでに古民家をお持ちの方…などなど、あまりの十人十色ぶりに、驚きです。

「飯能はコミュニティですね。いやあ、やっぱり濃いですね笑。いいアイデアが出そうな予感をひしひしと感じます」と、野田さんも期待をふくらませます。

2歳のお子さんの子育て中の方が「子どもと一日過ごしていて、大人と関わりたいと思っていた」と話していたのも、とても共感しました。

いざ、飯能まち歩きへ

続いて、実際に飯能のまちを歩きながら、リノベーション事例を見学しました。

参加者は「これ面白い!」「イケてるトコ、いまいちなトコ」「こんなことできないかな?」の3つの視点でメモをとりながら回ります。

まずは、2016年にオープンした「AKAI Factory」を見学。彫金、革細工、画家、木工などのクリエイターが集うシェア型のアトリエです。

もともとは、本プログラムのサポーターの一人、赤井さんのご実家「赤井製作所」の築80年近い工場でした。静かな住宅地の中にあり、集中して作品づくりをするのに最適な場所です。

参加者から質問が次々と。「壊そうとは思わなかったのですか?」という質問も。

すると「考えませんでした。駅前なのでマンションの営業もたくさん来ていたんです。ただ、地元・飯能を面白いまちにしたいという想いがありました。それを実現するのは、マンションではないなと思ったんです」と赤井さん。

赤井さんにはクリエイターの知り合いがいたわけではありません。では、どのようにクリエイターを集めたのか。

それは東飯能の丸広百貨店でクリエイターが集まる催事をしていたときに「一番面白がってくれそうな人」に声をかけたとのこと。

こうして一人目の入居者が決まると、クリエイターのつながりですぐに全スペースが埋まったのです。今ではクリエイターの拠点として「飯能って、こんなにものづくりをしてる人がいるんだ」と言われることもあるそう。

楽しみながら、アイデアを具体的に

2軒目は、シェアスペース「Bookmark」を見学。こちらは、元古本屋だった場所です。月極のデスクスペースがあり、ただいま満席。

『はんのーと』の拠点でもあり『はんのーとレディオ』を配信しているブースもここにあります。

そして、3軒目は元金物屋だった「くらしの循環センター フカダヤ」。

DIYしてつくり上げた店内は、一歩入ると木のあたたかみと、古道具と、作家の作品が調和していて、唯一無二の雰囲気です。

Akinaiが運営している店舗なので「飯能で何かしてみたい」という人が訪れる、新たなコミュニケーションが生まれる場所になりつつあります。

無人運営型のコワーキングスペース「Nakacho7」と、今回実際に活用予定の物件のうちの一つ「日替わりシェフのお店」も見学しました。

歩きながら参加者の会話が次々と生まれ、アイデアも出てきた様子が印象的でした。

飯能銀座商店街には、リノベーションによって生まれ変わった店舗だけではなく、昔から地域で愛されている蕎麦屋、団子屋、着物屋、魚屋などが並び、歩いていると懐かしい気持ちになります。

しかし、シャッターが降りている店舗も目立ち、いま開いているお店も後継者がいないお店もあるそう。

最後は、商工会議所に戻って感想をシェアして1回目は終了。2回目からは、実際にお互いのアイデアを出しながら具体化していきます!

また、令和5年度に飯能市が策定した「飯能まちなか未来ビジョン」では、段階的なプロセスデザインとして、今年(令和6年)度を「ほしい暮らしを描く」「仲間を見つける・増やす」としています。

個性的な参加者とそれぞれのアイデアが、飯能でどのように描かれていくのでしょうか。楽しみです。

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記事を書いた人:
かたおか 由衣

リゾート運営会社勤務と専業主婦を経て、2020年からライター。2男1女の子育て中。

教育や子育て、エンタメ、キャリアなどの分野で執筆中。2023年春から飯能在住。転勤族。

  • ライター・編集者
  • 子どもたち学校に行ったり行かなかったり
  • 親子ともに飯能暮らしを楽しみたい!

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