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ライター:トッポ

2024.10.04

多峯主山のふもとで Vol.2「ライター、はじめました」後編

多峯主山のふもとで Vol.2
「ライター、はじめました」後編

移住は子どものふるさと選び

2年半前に、川口から妻と未就園児2人と飯能へ移住してきた。幼い子連れの移住は、子どもたちのふるさと選びでもある。

わざわざ2人(妻も含めれば3人)の生まれた地、私たち家族のはじまりの地を離れるのだ。

そこで、私自身が子どもの頃やりたかったことを振り返ってみた。

  • 小学生:川で泳ぐ、魚を釣る、カブトムシやクワガタをとる
  • 中学生:ボーリング、カラオケ
  • 高校生:自転車やローカル線の旅、温泉めぐり、登山

あんまり今と変わってないな…。

飯能だと、これ、なんと全部できちゃいます。「こんなまちで少年時代を過ごしたかった!」と思えたことも、飯能に決めた理由のひとつ。

有間渓谷観光つり場で釣ったニジマス

もちろん、子どもたちは自分とは違う人間。これからやりたいことにも違いはあるだろう。でも、ごく一般的な少年の願望がこれだけ叶う場所。

きっと何かしら心に引っかかるものがあるはず。

埼玉では珍しい山岳路線 西武池袋線・秩父線

多峯主山のふもとで

多峯主山。地元以外の方にとっては、難読地名だが「とうのすやま」と読む。

多くの峯の主、というだけあって、飯能から秩父へ続いていく山々の先頭に立ち、関東平野を見下ろしている。

私たちの住まいは、この山のふもと。前編からいいことばかり書いてきたけれど、便利さそこそこ、どこへ行くにも車は必須。

スーパー徒歩15秒、ホームセンター徒歩1分、最寄り駅まで徒歩5分のところに住んでいた川口時代とは生活スタイルは大きく変わった(通勤時間は倍近くに)。

妻は飯能への移住が決まってからというもの「この選択を正解とするしかない」ということをよくつぶやいていた。

左前方に見えるのが多峯主山

川口以外に住んだことのなかった妻にとって、飯能移住は、清水の舞台から、いや天覧山の展望台から飛び降りるような決断だったと思う。

そんな彼女は、洗濯物を干すときに見える山並みや、季節の移ろいを感じられる木々や、森の香りを運ぶ爽やかな風や、まちなかの古きよき雰囲気を積極的に楽しんでいる。

どんなまちへの移住でも、楽しく暮らしていけるかどうかは、そのまちを楽しもうとする心次第。

飯能への移住が正解だったと証明していく作業として、私は何をしようか。

はんのーとライターとして飯能の面白さを探求し、お伝えしていくことが、その手段になるのではと考えている。

いつか飯能や多峯主山のふもとで暮らす人の背中を、そっと押すことができたらいいな。

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記事を書いた人:
トッポ

自称『はんのーと』最古参のファン。1991年所沢生まれ。「田舎の学校へ行きたい」という念願叶わず、中高大と都内へ通学。卒業後も都内勤務。

住まいは新宿、川口を経て2021年末、憧れの地・飯能へ移住。家族は似顔絵師の妻(しなおかりお)と息子2人。旅と音楽が好き。

  • 平日は生命保険業界にいます
  • 休日は山や川にいます
  • 飯能の似顔絵屋 しなりお堂 店員

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