飯能にはたくさんのアーティスト…
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特集・連載
アンティークセレクトショップ「REFACTORY antiques」で、月に一度行われているマルシェ「have a LIFE day」。
店主・渡邊優太さんが選んだアンティーク雑貨に加え、季節の草花を扱うフラワーショップ、古書店、設計事務所まで、ふだんの生活に彩りを添えてくれる特別な一日。
その一角に、落ち着きある器たちを並べているのが「ALEKOLE」の伊藤唯さんです。
つくり手の想いと食卓のシーンをつなげるセレクトショップ
ALEKOLEは、作家ものの器や、ヨーロッパのヴィンテージテーブルウェアを取り扱うお店です。現在は実店舗を持たず、オンラインで販売しています。
名前の由来は「器を軸に楽しいことをあれこれやっていきたい」という想いから。その名の通り、器はもちろん、それを使った食べものや飲みものも紹介しています。
取材に伺った「have a LIFE day」では、POTS projectさんの金木犀が香る台湾茶ベースのミルクティー、ジンジャーとカルダモンのチャイも紹介されていました。
もちろん、試飲はセレクトした器で。こういった機会があることで、デザインだけではなく、使い心地もチェックできるので、器選びの幅が広がります。
Instagramでもたくさんのシーンを紹介していて、どれも「こんな暮らしがしてみたい!」とテンションが上がるものばかり。
毎日使う食器が日常を変えてくれる、それを実感させてくれる写真の数々をぜひチェックしてみてください。
一枚のお皿が、食卓を変えてくれた
「以前は、そこまで器に興味を持っていなかったんです」と語ってくれた伊藤さん。
出会いは静岡県熱海市で開催されたリノベーションスクール。建築関係の仕事をしていて、地方都市の再生に興味があったということもあり、スクールに参加。
リノベーションスクールとは、地方都市の空き物件を対象に参加者が事業を提案し、大家さんの許可を得られれば、実際にその事業をスタートできるプログラム。
伊藤さんのグループは「陶芸家のシェアハウス」というプランを練ることになり、実際に陶芸家を訪ねました。そこで初めて陶芸家がつくる器と出会ったのです。
「いつものパンを作家さんの器にのせて出しただけで、テーブルが華やいだんです」
ウェブマガジン『NEXTWEEKEND』での連載写真(写真提供:ALEKOLE)
スクールでのプランは実現こそしなかったものの、これからの進む道を決めた大きなきっかけとなったのです。
こうして器に関する仕事を始めた伊藤さんは、ウェブマガジンで器を紹介する連載をスタート。編集者とともにテーマを考え、それぞれの器の使い方、シーンのつくり方をスタイリングしたテーブルの写真に文章を添えて提案してきました。
その経験を活かし、青梅市のハーブ農家「lalafarmtable」さんの著書『ドイツ式ハーブ農家の料理と手仕事 育てる、味わう、丸ごと生かす』のスタイリングを担当。着々と活動の幅を広げています。
飯能のこと、これからのこと
伊藤さんが飯能に移住したのは、2023年の春。子育てのタイミングと、だんなさん実家が県境そばの青梅市でブルーベリー農家をしていたこともあっての引っ越しでした。
「ずっと都会のマンション暮らしだったので、地方での暮らしがイメージできず心配でしたが、夫の実家にも駅にも近い物件が偶然見つかって、今はとても快適に暮らしています。近くにREFACTORY antiques、lalafarmtableさんがいらっしゃったのも、大きな後押しになりました」
2025年春には、青梅で小さなお店を構え、実際に器を手に取りながら選べる場所をつくりたいという伊藤さん。そこでは、lalafarmtableさんのランチも提供する予定だそう。
新鮮なハーブや野菜を使った料理とそれを引き立てる器。2つの才能が花開くお店! 今から取材に伺うのが楽しみです。
写真提供:ALEKOLE
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記事を書いた人:
赤井 恒平
飯能生まれ。AKAI FactoryやBookmarkを手がけた、飯能リノベーションの第一人者。地域や人をつなぐ「橋をかける仕事」をしています。
- 飯能市キーマン
- AKAI Factory 代表
- 埼玉県「まちなかリノベ賞」最優秀賞(R2年度)
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