くらし

ライター:ゆっきー

2024.08.29

季節と巡るゆっきーの飯能暮らしvol.26「涼をはこぶ、野山の恵み」

季節と巡るゆっきーの飯能暮らし
vol.26「涼をはこぶ、野山の恵み」

猛暑、酷暑という言葉をゆうに超えてきた、今年の夏の暑さ。処暑を過ぎても、まだまだ暑さの終わりが見えません。

梅雨のはじまり、6月に採取してきた実山椒(みさんしょう)が、そんな残暑厳しい日々に涼をはこんでくれます。

実山椒と同じ頃に旬を迎える梅の実は、今年は大不作(大凶作と言ってた生産者さんも)。

毎年、楽しみにしている梅仕事ができず、がっかりだった方も今年は多かったはず。季節の恵みが、当たり前ではないことを痛感するできごとでした。

かたや、わが家の周りの「のら(野生)実山椒」は大豊作! 摘みたてフレッシュなうちに、下ゆでアク抜き。

ちりめんと一緒に炊いた「ちりめん山椒」は、おかわり必須の美味しさ。瓶のしょうゆに数粒入れれば、香り高い「山椒しょうゆ」のできあがり。

実だけ煮詰めて「実山椒の佃煮」。

この実山椒の佃煮は、ご飯のおともや酒の肴にはもちろん、炒めものや煮ものに少し加えるだけで爽やかな一品に仕上げてくれる優れもの。冷やっこにのせると、とたんにごちそうに大変身。

夏バテ気味の体に、他にはない爽やかな香りとピリッとした刺激がたまらないのです。

のら山椒の多くは「オス株(=つまり実を付けない)」、なので「メス株」を見つけたときのうれしさは格別。

「のら山椒メス株ポイント」を記憶MAPに上書きし、頃合いを見計らって山やヤブへ出かけて採取します。

こうして季節ごとに、野生の植物たちのパワーをお裾分けしてもらえる日常がある飯能の暮らし。何ごとにも変えがたい豊かな暮らしです。

季節が巡って、中の種が弾け飛ぶと、冬にはこんな姿に。そしてまた春がやってきて、芽吹きのときを迎えます。

新芽との再会、それはなんだか旧友との久しぶりの再会のような、そんなじんわり温かい気持ちにさせてくれるのです。

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記事を書いた人:
ゆっきー

20年暮らした沖縄を離れ、2019年春に家族で飯能へ移住。小学生ふたりの母として日々奮闘しながら、自然界の恵みをいただく愛しい日常を綴っていきます。

  • 料理家
  • パーマカルチャーデザイナー

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