先月9月25日(木)「飯能で関…
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くらし


ライター:ハネジ ユキエ
2025.12.26
地域の暮らしを「香り」にする、
ものづくりの拠点「Fragrance Base.」
地域の暮らしを「香り」にする、
ものづくりの拠点「Fragrance Base.」
間伐の過程で生まれる、使われずにきたヒノキの枝葉。
山間部の民家の庭で、収穫されずに活用されない柚子。
そうした地域の暮らしのなかにある素材を活かし「香り」のプロダクトへとつなげる新しいものづくりの拠点が、飯能にできました。
「香り」のものづくり拠点 Fragrance Base.とは?
香りにまつわる事業でありながら、この拠点が目指しているのは、プロダクトそのものを売ることだけではありません。

香りをきっかけに、人や地域が関わり続けてゆくための仕組みをつくること。そのための“拠点”として「Fragrance Base.」が立ち上げられました。
立ち上げたのは、デザイナーの藤本伸明さん。

これまで数多くの案件に携わるなかで、商品やサービスのデザインだけでなく、事業のクリエイティブ支援やブランディングも手がけてきました。
現在もデザイナーとして仕事を続けながら、これからの働き方について考えるようになったと言います。
視覚的なデザインだけで終わらせず、事業として続いていく形までを見据える。そんなクリエイティブの伴走のかたちを志し、飯能での二拠点活動を始めたそうです。
Fragrance Base.では、地域にある素材やその土地に根差した物語や背景に目を向けながら、香りの商品開発や製造を行っています。拠点となっているのは、飯能市内のとある蔵。

特別な設備を必要としない、小さな空間でも無理なく関われること。その考え方自体が、この拠点のもづくりの土台となっています。
飯能の拠点を一つのモデルとして、今後は日本各地へと広げていくことも視野に入れています。
Fragrance Base.が大切にする「郷土資源」という考え方
この拠点のものづくりの根底にあるのが「郷土資源」という考え方です。
自然環境や気候、風土、歴史、文化、そして人々の暮らしの記憶。そうした、その土地にしかない物語をもった素材を、郷土資源と呼んでいます。
香りの原料も、特別なものを新しく生み出すのではありません。地域の営みのなかで生まれ、これまで使われることのなかった素材に目を向けることから始まります。
その一例が、飯能・西川材のヒノキ。

飯能市内で林業を営む事業者と連携し、間伐の過程で生まれる枝葉や、これまで使い道のなかった部分を分けてもらい、香りの原料として活用しています。
香りを得るために木を伐るのではなく、森を守る営みのなかで自然と生まれる素材を活かす。その姿勢こそが、Fragrance Base.のものづくりを象徴しています。

使って終わらせない、地域の中で循環するものづくり
製造工程で生まれた素材や副産物も、使って終わりではありません。
香りづくりの過程で残るヒノキの枝葉や柚子の蒸留後のものは、畑に撒くことで土へと還していくそうです。
ものづくりのなかで生まれるものを、次の営みへとつなげていく。その循環までを含めて、一つの取り組みとして考えています。

人や素材をプロダクトへとつなぐだけでなく、地域のなかで新しい役割や仕事を生み出していくこと。
それが結果として、無理のないかたちで続いていくビジネスモデルにつながっていく。藤本さんはそう考えています。
循環を支える「ベースサポーター」という関わり方
Fragrance Base.では、香りづくりの背景にある営みや循環を、実践のなかで支えてくれる仲間を「ベースサポーター」として募集しています。
山での植物採取や拠点づくり、イベントの手伝いなど、関わり方はさまざま。特別な知識や経験は必要なく、空いた時間に少し関わるだけでも歓迎されています。
こうした活動に少しでも興味を持った方は、まずは気軽に問い合わせてみてください。

Fragrance Base.の香り
現在、Fragrance Base.で展開している香りは、ヒノキと柚子の2種類。
ヒノキの香りは、木材そのものの強さを前面に出すのではなく、葉材ならではのやわらかさがあります。包み込まれるような、落ち着いた印象の香りに仕上がっています。


柚子は、柑橘らしい爽やかさがあり、気分を切り替えたいときや、日常のちょっとしたリフレッシュに取り入れたい香りです。


いずれもフレグランスミストとして展開されており、ハンカチに吹きかけたり、枕元に置いたり、車の中で使ったりと、特別なシーンに限らず、暮らしのなかで気軽に使えることを大切にしています。
香りをまとうというよりも、生活の一部としてそっと寄り添う。そんな距離感を意識したプロダクトです。
飯能銀座商店街にある「くらしの循環センター・フカダヤ」または公式オンラインストアからお買い求めいただけます。

香りを通して、地域のことを知る。そして、自分たちの暮らすまちに、こんな取り組みがあることを知る。
Fragrance Base.は、飯能の暮らしのすぐそばで、静かにその一歩を踏み出しています。
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