たべる

ライター:ハネジ ユキエ

2025.10.19

狭山茶をもっと身近に。「的場園」が広げる新しい楽しみ方

狭山茶をもっと身近に。
「的場園」が広げる新しい楽しみ方

埼玉県入間市で茶園「的場園」を営む、四代目・的場龍太郎さん。

伝統を守りながらも、狭山茶の楽しみ方を、多くの方へ届ける活動にも積極的です。

飯能市内でのワークショップや、地域の飲食店とのコラボなど、今回は的場さんのユニークな取り組みをご紹介します。

今年の狭山茶づくりー理想の味に、たどり着いた年

今年のお茶づくりを振り返り、的場さんはこう語ります。

「暑さや寒暖差、雨など気候変動の影響はありました。でも、うちの茶畑は元気に育ってくれて、過去一番美味しくできた年でした」

的場園が目指すのは「香りが強く、甘みがあり、雑味のないクリアなお茶」。誰が飲んでも「美味しい」と感じ、お茶に馴染みがない人にも驚きを届けられる味。

その理想に、15年かけてようやくたどり着いたと言います。

「理想の味」を追い求める過程は決して平坦ではありませんでした。天候に振り回される年もあれば、試作したお茶が思うような味に仕上がらなかったことも。

それでも、畑に出て茶葉の様子を見ながら、少しずつ工夫を重ねてきたそうです。

狭山茶×スパイスティーのワークショップ

狭山茶といえば、まず緑茶を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

的場園では、香り高い煎茶はもちろんのこと、お茶とスパイスをかけ合わせたスパイスティー「TeTe」も人気を集めています。

先日開催された「オリジナルスパイスティー作りワークショップ」では、飯能市内の飲食店を中心に20名以上の参加者が集まり、関心の高さが伺えました。

内容は、一人ひとりコンセプトを考えながら、オリジナルの一杯をつくる、というもの。

ワークショップのはじめには、的場さんからスパイスティーに関する説明と「TeTe」の試飲がふるまわれました。

「TeTe」は、煎茶・ほうじ茶・和紅茶をベースにスパイスやドライフルーツを組み合わせてつくられた、4種類のブレンドティー。

初めて飲んだ方からは「煎茶とスパイスの組み合わせが面白い」「ブレンドに必要なスパイスの味を知れてうれしい」などの声が。

そのあとは、実際にオリジナルスパイスティーづくりを体験。用意されたのは、煎茶・ほうじ茶・和紅茶のほか、スパイスやドライフルーツなど、全部で約20種類。

組み合わせで仕上がる味を想像しながら、真剣に取り組む様子が印象的で。

自分がつくるお菓子との組み合わせ、どんな場面で飲むのかなど、一人ひとりコンセプトが異なり、とても興味深い時間でした。

参加者の一人は「お茶の奥深さを知れて楽しかった」とお話してくれました。

飯能で楽しめる! 的場園の狭山茶を味わえるお店

ワークショップなど、これまでの取り組みを通じて新しいお茶の楽しみ方が広がっている一方で、日常の食事の中でも的場園のお茶に出会える場所があります。

その一軒が、飯能駅近くの「焼き鳥ダイニング高」。ここでは的場園のスパイスティー「TeTe」を使ったお茶割りが楽しめます。

焼き鳥の香ばしさとスパイスティーの爽やかな風味が絶妙に合わさり、食事をさらに引き立ててくれると評判です。

そのほかにも、立ち飲み屋「立呑みエンドー」、焼肉「千香」など、食事と一緒に狭山茶を楽しめるお店があります。

さらに、飯能で人気のハンバーガーショップ「GEORGE’S BARger」では、狭山茶を使ったラテやシェイクが登場。

濃厚な味わいのハンバーガーと、ほんのり香るお茶の風味は相性抜群。若い世代にも親しみやすい一杯として人気です。

飯能銀座商店街にある「暮らしの循環センター・フカダヤ」では、的場園の美味しい狭山茶をはじめ、狭山茶ようかん、スパイスティー「TeTe」4種類も販売中。

それぞれのお店ならではの工夫があり、同じ狭山茶でも違った表情を味わえます。

「狭山茶はまだ知られていない部分も多いけれど、もっと多くの人に気軽に楽しんでもらいたい」と的場さん。

飯能のまちなかを歩きながら、ぜひお気に入りの一杯や一品を見つけてみてください。

関連情報

所在地
埼玉県入間市南峯68
TEL
04-2936-0615
04-2936-0615
Instagram
@matobaen
オンラインショップ
狭山茶製造販売 的場園

アクセス

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記事を書いた人:
ハネジ ユキエ

生まれ育った沖縄を離れ、2024年春に飯能へ移住。

ものづくり、暮らしを豊かにするモノ、地域を元気にするヒト、大人からこどもまで楽しめるコトを取材しています。最近は、いちご栽培のお手伝いと家庭菜園に夢中。しゃべるとなまってます。

  • カメラマン兼ライター
  • 紙もの全般、動画などの制作ディレクター
  • 書籍づくりに向けて活動中

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