飯能銀座商店街の一角にある、和…
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たべる
飯能のおせんべいといえば「釜久」。8年前に、茜台に大きな工場ができ、お客さんが気軽に買いものできる直売所もオープンしました。
釜久はなんと創業昭和2年という長い歴史のおせんべい屋さん。当時は西巣鴨にお店があり、戦時中の厳しい情勢にも耐え、その後は生産や販売エリアを広げていきました。
今では池袋へ本社を移し、工場は埼玉県内の2か所、飯能と越生にあります。
工場の直売所で買えるおせんべいの数は、甘いものも含めて全部で80種類!
どれも美味しいのですが、飯能工場では「おこげ」が一番の目玉商品。なぜなら、全国に数か所しかない珍しい製法でおこげのおせんべいをつくっているから。
「お米の形を潰さず、同じ生地でていねいにつくっています。特殊製法なので、釜久オリジナルの商品なんです」とイキイキと話をしてくれたのは、営業部の上原広貴さん。
おこげ揚煎を食べると、ザクザクよい音がして口の中に香ばしい醤油の香りが広がります。美味しい!
クリスピー感覚で食べられるので、甘いものよりしょっぱい派、ポテチ大好きなライター飯塚にはありがたいおせんべいです。
ちなみに私のお気に入りの小袋シリーズは「ピーナッツ揚ゆず味」。小袋シリーズは、越生の工場で生産し、柚子も越生の農家さんに協力してもらっているそうです。
「いろいろな土地の柚子を比べましたが、収穫量、出荷量ともに県内随一で香りもよいので、越生の柚子を選びました」とのこと。個人的には越生といえば「梅」だったので、意外でした。
ここで広貴さんの弟で、総務課の上原大広さんお気に入りの釜久商品を聞いてみました。「ぼくはこれです」と手にとったのは小袋シリーズの「まさご」。小さい頃からお好きだとのこと。
外は硬いのに中はサクッとやわらかい、濃い醤油味の小さな丸いおせんべいがお気に入りなんだそうです。
おせんべいといえば、年配の方が好むイメージ。でも、釜久のおせんべいやあられは、どの世代にも受け入れられやすい味と歯応えで、リピーターを増やしています。
最近はコロナ禍もあって、遠出を控えた若いファミリー層が休日におせんべいを買いに来るなど変化が起きています。
広貴さんは、おせんべいを食べることを「食育」と呼んでいます。「子どもの頃から何を食べるかはとても大事なこと。成長して、大人になるに連れて食の傾向が決まってきます。小さい頃から、できるだけよいものを食べてもらえたら」と話していました。
創業以来、こだわりを持ってつくっている釜久のおせんべい。百貨店に卸したり、通信販売がメインですが、飯能に来ればお得にたくさん購入することができます。
飯能工場は特に若い世代の方が多く、30〜40代が活躍し、和気あいあいと明るい雰囲気でおこげをつくっているそうで、そんなお話を伺うとますます美味しさが増しました。
現在は目前の創業100年の節目を目指し、これからも釜久のおせんべいを愛して一緒につくっていく仲間を増やしていきたいとのことでした。
まだ食べたことのない人は、ぜひ一度おこげシリーズをご賞味あれ!
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記事を書いた人:
飯塚 まりな
イラストレーター兼ライター(主に人物取材を好む)。最近は愛車で過ごす車中ランチが生活の一部。夢は発展途上国で医療や教育に関わる日本人の取材。
2021年に働く30代男女の仕事や生活についてインタビューした『〜西武沿線上で探した〜近所の30代「今」何してる?』を全国の天狼院書店発売(2022年1月まで)。
- 『ちいき新聞』レポーター(2020年〜)
- 『ショッパー』レポーター(2019年〜)
- 介護福祉士
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