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くらし
飯能駅の南側、入間川にかかる橋を越えた先に広がる新興住宅地「美杉台」。その中程に、ハーブを五感で楽しむ体験施設「メディカルハーブガーデン 薬香草園」があります。運営するのは、世界中の農園から原料を輸入して、ハーブやアロマテラピー関連商品の製造販売を行う株式会社生活の木。東京・原宿表参道に本店があり、全国約110店舗の直営店で事業を展開している企業です。
飯能のメディカルハーブガーデンは、スクールやショップなどを併設した体験型の施設として1996年にオープン。以来、来訪者にハーブを通じて健康を届けています。今回はマーケティング本部の中村佳央さんに、お話を伺いました。
メディカルハーブを五感で体感できる施設
メディカルハーブを見るだけでなく、直接触れて楽しむことができる本施設。2階建ての建物と、季節の花々が咲き乱れる約6500㎡の庭があります。エントランスの扉を開ける前から、爽やかなハーブの香りに身体が包まれます。
建物の中には、ハーブを使ったパンやハーブティーが味わえるベーカリー、生活の木のショップ、各種セミナーを行う「ハーバルライフカレッジ」、エッセンシャルオイルの抽出や手作り化粧品などの制作体験ができる蒸留機を備えた蒸留室とギルドルーム、さらに、アーユルヴェーダの本場・スリランカでホテル事業を展開する生活の木ならではのアーユルヴェーダサロンがあります。ミツバチも育てていて、ガーデンの花の蜜から蜂蜜を作っているそうです。
来訪者は近隣の方々が多く、朝の散歩コースとして足繁く通う方も多いのだとか。また、新型コロナウィルスの感染拡大後は、近隣で楽しめるところへの需要が高まったためか、西武線沿線を中心に来場者が増えているとのこと。
「在宅時間が増えたことで、ご自宅の環境を整えることへの関心が高まっているようです。メディカルハーブガーデン 薬香草園では“庭の相談会”も開催しています。寄せ植えなどベランダでもできる楽しみ方もありますので、お気軽にご参加いただければ幸いです」と中村さん。
年間200〜300種のハーブを育てているガーデンでは春〜秋まで旬のハーブを眼と鼻で楽しむことができます。また、植物が眠る冬の時期にはドライハーブのワークショップなどを開催しているとのこと。1度だけでなく、何度も通って楽しめる施設です。
飯能に根を張り25年
そんなメディカルハーブガーデンですが、歴史は1996年にまで遡ります。新しく開発された美杉台の一角に、生涯学習をテーマに地域の方に貢献できる施設として「ハーバルライフカレッジ」をオープンしたのが始まりです。当初はレストラン・ベーカリー・サロンなどハーブ中心の体験を提供。2005年にメディカルハーブに特化した施設「メディカルハーブガーデン 薬香草園」としてリニューアルしました。
企業としての生活の木は、もともとは東京・表参道の写真館でした。戦後に出入りしていた米軍関係者の家で洋食器の魅力に触れ、テーブルウェアの製造販売業に業種転換。
ベトナム戦争中のアメリカを訪れた1976年、ヒッピーカルチャーのなかで広まっていたハーブと出会ったことで、ハーブとアロマテラピーの専門企業へと進化をしていきます。いまでこそ、ハーブもアロマテラピーも一般的なものになりましたが、当時から時代を先取って日常の健康を促進するハーブに注目し、いわばパイオニアとして普及を進めてきたそうです。
交流する場を設けることで、社会的な健康の実現を図る
そんな生活の木ですが、近年は「Wellness(ウェルネス)&Well-being(ウェルビーイング)」をコンセプトにしてブランドを展開しています。健康は身体の状態だけではなく心の状態、さらには地域など社会の状態も整っていてこそのものだという趣旨です。その一環としてメディカルハーブガーデンでは、2020年から月に1度のペースで「美杉台マルシェ」を開催しています。
「人との交流や社会的なつながりは、心の健康に不可欠な要素です。私たちの商品だけでなく、周辺の生産者やものづくりに携わる方々に出店いただき、近隣の方々に“交流”を提供する趣旨で実施しています」と中村さん。
イートインスペースとその前庭を会場に、狭山茶やコーヒー、木製クラフト、手作りリース、野菜などが販売されていたり、ワークショップが開催されていたりします。出店者は随時募集中とのことで、毎回入れ替えがあるそうです。
「商品だけではない付加価値で、地域の方々に貢献できる施設として発展させていきたい」と語る中村さん。ご自身も都心から飯能への移住者だそうです。ストレスのない充実したOFFの時間があると、飯能で暮らす魅力を語ってくださいました。
飯能で遊ぶこと、飯能で暮らすことが、心身の健康につながる。
そんな豊かなライフスタイルの一部に、読者の皆さんもメディカルハーブガーデンを活用してみてはいかがでしょうか?
マルシェ担当の岩崎翔さん(左)とマーケティング本部の中村佳央さん
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記事を書いた人:
オオタケ ユウスケ
埼玉都民のための「ライフタウン」メディア「西埼玉暮らしの学校」を主宰する地域の編集者。西武池袋線「西所沢」で土曜日だけ開店する小さな書店「サタデーブックス」を経営。埼玉ハンノウ大学の運営ディレクターとしても活動中。
- 「西埼玉暮らしの学校」主宰
- 「サタデーブックス」店主
- 埼玉ハンノウ大学・運営ディレクター